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2024.08.07
相談員ブログ

滅菌・殺菌・除菌諸々について

【菌に関する言葉】
ドラッグストアなどに行くと、「殺菌」「除菌」「抗菌」など様々な菌に関する言葉が目に飛び込んできます。
その違いについてあまり深く詮索しないまま使用していることが多いのではと思われますが、まとめて考察してみます。
菌に関する言葉は大きく分けると、「菌を殺すもの」と「菌の繁殖を抑制するもの」の2つに分類できます。
「菌を殺すもの」は、法律に基づき厚生労働省が定めた定義があり、「菌の繁殖を抑制するもの」はそれぞれの製品の業界団体が表示の自主基準を定めています。
「菌を殺すもの」は、「殺菌」「滅菌」「消毒」などが含まれます。
一方、「菌の繁殖を抑制するもの」は「抗菌」「除菌」などが含まれます。

【菌を殺すもの】
・滅菌
あらゆる菌(病原体・非病原体を問わず)を殺滅あるいは除去することで、日本薬局方によって、「微生物の生存する確率が100万分の1以下になること」と定義されています。
電磁波や放射線を使用したり、高圧や高熱にかけて滅菌処理を行いますが、菌を排除する割合で見ると最高レベルになります。
[アイテム例]
手術用具、注射器などの医療現場で使用する製品など

・殺菌
殺菌とは文字通り「菌を殺す」ことです。
ただし、死滅させる対象やその程度は明示されていません。
そのため、その一部を殺しただけでも「殺菌」と言えるので、有効性を保証したものではありません。
[アイテム例]
消毒剤、薬用せっけんなどの医薬品や医薬部外品など

・消毒
病原性のある菌を死滅・除去させて害の無い程度にすることです。
「殺菌」とは異なり、消毒の目的は「無毒化」であり、完全に死滅させなくても病原体の感染力を不活性化させたり、病原体を安全なレベルまで減少させることも消毒とされます。
[アイテム例]
消毒剤、薬用せっけんなどの医薬品や医薬部外品など

【菌の繁殖を抑制するもの】
・除菌
菌やウイルスを取り除くことを指します。
公正取引協議会によると、除菌という言葉は「物理的・科学的または生物学的作用などにより、対象物から増殖可能な細菌数を有効数減少させること」と定義されています。
除菌は菌を完全に殺すことではなく、減少させることを指しますが、その減少率については特に規定がありません。
[アイテム例]
スプレー、ジェル、ウエットシート、洗剤など

・抗菌
経済産業省によって、「菌の繁殖を防止する」と定義されていますが、対象や程度はこの定義には含まれていません。
抗菌は、あらかじめ菌が住みにくい環境を作り出すことを示しており、菌を完全に排除するわけではありません。
[アイテム例]
靴下やタオルなどの衣類、玩具、スリッパなど

【その他の菌にまつわる言葉】
・無菌
「生育可能な微生物が存在しない状態」と定義されています。

・制菌
主に布製品に使われる言葉で、繊維に付着した微生物の繁殖を抑えることです。
制菌加工は、繊維に付着した菌の繁殖を防ぐため、医療機関のユニフォームに使用されます。

・静菌
微生物は殺さず、増殖や発育を抑えることです。
防腐剤を使用したり、冷蔵保存を行うことで、微生物の繁殖を防ぐ際に使用されます。

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