老人ホーム相談プラザ｜日常生活自立度について

日常生活自立度について

【日常生活自立度とは】
「日常生活自立度」とは厚生労働省により判定基準が定められている、高齢者の日常生活における自立度の程度を表す指標です。
以下のようなケースで利用されています。
・介護認定の調査や主治医意見書の作成
・介護認定審査会の査定判定における参考資料
・看護計画やリハビリテーション計画を立てるとき
・ケアプランや通所介護計画を立てるとき
・病院の転院や高齢者施設へ入居する際の診療情報提供書の記載

日常生活自立度には、「障がい高齢者の日常生活自立度」と「認知症高齢者の日常生活自立度」の2種類があります。
障がい高齢者の日常生活自立度は「寝たきり度」とも呼ばれ、身体機能の低下による日常生活への影響を評価します。
4段階（J→A→B→C)にランク分けされていて、Cが最も重症で完全寝たきりが該当します。
一方、認知症高齢者の日常生活自立度は、認知症による判断力・思考力の低下に伴う日常生活への影響を評価します。
5段階（Ⅰ→Ⅱ→Ⅲ→Ⅳ→M）にランク分けされていて、Mが最も重症で、Ⅰは健常者とほぼ変わらない状態です。

【障がい高齢者の日常生活自立度ランク】
・ランクJ　生活自立
何らかの障がい等を有するが、日常生活はほぼ自立しており独力で外出する
J1.交通機関等を利用して外出する
J2.隣近所へなら外出する

・ランクA　準寝たきり
屋内での生活は概ね自立しているが、介助なしには外出しない
A1.介助により外出し、日中はほとんどベッドから離れて生活する
A2.外出の頻度が少なく、日中も寝たり起きたりの生活をしている

・ランクB　寝たきり
屋内での生活は何らかの介助を要し、日中もベッド上での生活が主体であるが、座位を保つ
B1.車いすに移乗し、食事、排泄はベッドから離れて行う
B2.介助により車いすに移乗する

・ランクC　寝たきり
1日中ベッドで過ごし、排泄、食事、着替えにおいて介助を要する
C1.自力で寝返りをうつ
C2.自力では寝返りもうてない

【認知症高齢者の日常生活自立度ランク】
・ランクⅠ
［判断基準］
何らかの認知症を有するが、日常生活は家庭内及び社会的にはほぼ自立している。

・ランクⅡ
［判断基準］
日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意していれば自立できる。

・ランクⅡa
［判断基準］
家庭外でランクⅡの状態が見られる
［見られる症状・行動］
たびたび道に迷うとか、買物や事務、金銭管理などそれまでできたことにミスが目立つ等

・ランクⅡb
［判断基準］
家庭内でも上記Ⅱの状態が見られる
［見られる症状・行動］
服薬管理ができない、電話の対応や訪問者との対応など一人で留守番ができない等

・ランクⅢ
［判断基準］
日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さが見られ、介護を必要とする

・ランクⅢa
［判断基準］
日中を中心として上記Ⅲの状態が見られる
［見られる症状・行動］
着替え、食事、排便、排尿が上手にできない、時間がかかる。
やたらに物を口に入れる、物を拾い集める、徘徊、失禁、大声・奇声をあげる、火の不始末、不潔行為、性的異常行為等

・ランクⅢb
［判断基準］
夜間を中心として上記Ⅲの状態が見られる
［見られる症状・行動］
ランクⅢaに同じ

・ランクⅣ
［判断基準］
日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られ、常に介護を必要とする
［見られる症状・行動］
ランクⅢに同じ

・ランクM
［判断基準］
著しい精神症状や問題行動あるいは重篤な身体疾患が見られ、専門医療を必要とする
［見られる症状・行動］
せん妄、妄想、興奮、自傷・他害等の精神症状や精神症状に起因する問題行動が継続する状態等