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2024.09.09
相談員ブログ

意識レベル(JCSとGCS)について

【意識障害とは】
意識とは「外界からの刺激を受け入れ、自己を外界に表出することができる機能」のことを指します。
意識障害とは「覚醒」か「認知」のいずれか、あるいは両方に障害が起こっている状態のことです。
外界からの働きかけに反応が無かったり、鈍かったりする場合は覚醒に障害が起こっています。
現在の状況を正しく認識できない状態では、認知に障害が起こっています。
つまり、意識障害は外界からの働きかけに覚醒せず反応しなかったり、周囲の状況を認識できていない状態を指すのです。

意識障害の原因になる疾患はさまざまですが、大きく2つに大別されます。
①頭蓋内疾患
頭蓋内の病変により、脳幹部から大脳皮質に至る重要な部分が障害を受けている状態。
脳血管障害、頭部外傷、脳腫瘍、中枢神経感染症、痙攣発作など

②頭蓋外疾患
頭蓋外の疾患により、脳の代謝過程が阻害されている状態。
ショック(血液がうまく循環しなくなり、脳や臓器が酸素不足になり、生命に関わる危険な状態)、低酸素血症、代謝異常、中毒、高・低体温、ヒステリーなど

【JCSとGCSによる意識障害の評価】
意識障害の評価方法はいくつかありますが、代表的なものに「ジャパン・コーマ・スケール(Japan Coma Scale:JCS)」と、「グラスゴー・コーマ・スケール(Glasgow Coma Scale:GCS)」があります。
コーマとは、意識喪失状態、昏睡状態を意味します。
一般的にJCSは急性期に、GCSは亜急性期~慢性期に使い分けられることが多いですが、患者の状態などによっては併用されることもあります。
また、一般病棟などで日々の意識レベルを端的に評価したい時にはJCSが使われることがあり、脳疾患などで意識や身体障害の詳細を評価したい際にはGCSを使うことがあります。

【JCS ジャパン・コーマ・スケール】
JCSは、数値が大きくなるほど重症になります。
覚醒度合いによって3段階(1桁、2桁、3桁)に分けられ、更にその中でも3段階に細分化されていることから、3-3-9度方式とも呼ばれています。

Ⅰ刺激しないでも覚醒している(1桁の数字で表現)
1.だいたい意識清明だが、今ひとつはっきりしない
2.時、場所または人物がわからない
3.自分の名前または生年月日がわからない

Ⅱ刺激すると覚醒する~刺激を止めると眠り込む(2桁の数字で表現)
10.普通の呼びかけで、容易に開眼する
20.大きな声または身体を揺さぶることにより開眼する
30.痛みと刺激と呼びかけを繰り返すと、かろうじて開眼する

Ⅲ刺激しても覚醒しない(3桁の数字で表現)
100.痛みや刺激に対し、払いのけるような動作をする
200.痛みや刺激に対し、手足を動かしたり、顔をしかめる
300.痛みや刺激に対し、反応しない

R-不穏、I-糞便失禁、A-自発性喪失がある場合には、レベルの後に表記します。(例 Ⅱ-10-R)

【GCS グラスゴー・コーマ・スケール】
GCSは世界的に広く使われている意識障害の分類・評価法で、JCSより複雑になります。
GCSは開眼、言語反応、運動反応の3分野で意識レベルを評価して、数値が小さいほど、意識レベルが悪いことになります。
15点が満点すなわち正常で、最低点は3点で深昏睡と言います。一般的に8点以下を重症と見なします。

E:開眼
4.自発的に開眼
3.呼びかけにより開眼
2.痛み刺激により開眼
1.開眼しない

V:言語音声反応
5.見当識あり
4.混乱した会話
3.不適当な発言
2.理解不明の音声
1.発声しない

M:運動反応
6.指示に従う
5.痛みや刺激部位に手足を持ってくる
4.痛みや刺激に対して手足を引っ込める
3.痛みや刺激に対して異常屈曲反応を示す
2.痛みや刺激に対して異常伸展反応を示す
1.反応なし

記載例 E3V4M5=12点
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