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2024.10.28
相談員ブログ

FIM(機能的自立度評価表)について

【FIM(機能的自立度評価表)とは】
FIM(functional independence measure)「機能的自立度評価法」は、ADL(日常生活動作)の評価するための方法です。
運動機能面だけではなく、対人交流や日常生活における問題解決の項目も含まれており、それぞれを数値化して客観的に評価することができます。
FIMは対象者のADLの介護量を測定することができ、ADL評価の中でも最も信頼性と妥当性があるといわれています。
医学的な知識がない人でも採点できるため、医療現場だけでなく介護現場でも活用されることがあります。
FIMの採点は、運動項目と認知項目の計18項目を7段階で行います。
運動項目には食事、整容、清拭、更衣、排泄、移乗、移動などがあります。
認知項目にはコミュニケーション能力、記憶力、問題解決能力などの社会的認知に関わるものがあります。
各項目は介助量に基づいて評価されるため、対象者の状態の変化を容易に把握できる点も、FIMのメリットの一つとされています。

【FIMの採点基準】
それぞれの項目を1~7点で採点し、満点は126点、最低点は18点となります。
点数が高いほど自立度が高いことがわかります。

7点[完全自立]:介助や手助け、補助具の必要がなく、自分で行える「自立」の段階です。
6点[修正自立]:ほぼ自分で行えますが、時間がかかります。装具や自助具、服薬が必要。安全性に配慮が必要です。
5点[監視・準備]:手助けは不要ですが、介助者による監視指示、助言、準備などが必要です。
4点[最小介助]:介助者による手助けは必要ですが、全体のうち75%以上は自力で行うことができます。
3点[中等度介助]:介助者による手助けが必要ですが、全体のうち50%~75%は自力で行うことができます。
2点[最大介助]:介助者による手助けが必要ですが、全体のうち25%~50%は自力で行うことができます。
1点[全介助]:介助者による手助けが必要ですが、全体のうち25%未満しか行うことができません。

【FIMの採点項目】
FIMの採点項目は、運動項目と認知項目に分かれていますが、合計で18項目から構成されています。

■運動項目
[セルフケア]
①食事
 適切な食器や道具を使い、食物を口に運び咀嚼し嚥下するまでの工程を評価します。
②整容
 口腔ケア、洗髪、手洗い、洗顔、髭剃りまたは化粧の5項目で評価します。
③清拭
 身体を部位ごと10ヶ所に分けて、洗う、すすぐ、拭く(乾かす)を評価します。
④更衣(上半身)
 服をかぶり、片袖を通して、もう片袖を通す、服を引き下ろすという一連の動作を評価します。
⑤更衣(下半身)
 ズボン、下着、靴下(ストッキング)、靴の着脱を評価します。 
⑥トイレ動作
 服の上げ下げ、紙で拭くなどの動作を評価します。

[排泄]
⑦排尿管理
 失敗する頻度と介助量のうち、低い方の点数で採点します。
 日中と夜間で点数が異なる場合は、低い方の点数をつけます。
⑧排便管理
 失敗する頻度と介助量のうち、低い方の点数で採点します。
 日中と夜間で点数が異なる場合は、低い方の点数をつけます。

[移乗]
⑨ベッド・いす・車いす
 座面から立ち上がる、方向転換をする、座るまでの移乗動作を評価します。
⑩便座
 座面から立ち上がる、方向転換をする、座るまでの移乗動作を評価します。
⑪浴槽・シャワー
 座面から立ち上がる、方向転換をする、座るまでの移乗動作を評価します。

[移動]
⑫歩行・車いす
 歩行あるいは車いすのうち、主に行う方法で評価します。
⑬階段
 登り降りの両方を評価します。

■認知項目

[コミュニケーション]
⑭理解(聴覚・視覚)
 相手の指示や会話をどの程度理解できているかを評価します。
⑮表出(音声・非音声)
 自分の欲求や考えをどの程度相手に伝えられているかを評価します。

[社会認識]
⑯社会的交流
 他者と適切に接しているか、集団に参加できているかを評価します。
⑰問題解決
 日常生活上の問題を認識し、適切に決断して行動できるかを評価します。
⑱記憶
 頻繁に会う人、日課、他者からの依頼を記憶しているかを評価します。
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