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2024.11.20
相談員ブログ

「認知症になりやすい」と言われる人について

【認知症になりやすい人】
認知症の予防法として確実に効果がある予防法はまだ確立されていません。
しかしながら、認知症になりやすい人には、性格や生活習慣などにおいて、いくつか共通の特徴があると報告されています。
認知症になりやすい特徴を把握することで、早い段階から対策を取り、認知症になるリスクを軽減できる可能性があります。

【認知症になりやすい性格】
・協調性がない
協調性が低い人は、人との関りを持たないことが多く、会話の機会が少ない傾向にあります。
つまり、社会的に孤立しやすくなります。
孤立してしまうことで、コミュニケーションが欠如して、脳の不活性化につながっていきます。

・短気
短気な人は、他人とのコミュニケーションがうまく取れない傾向にあります。
周りの人たちからも疎まれて避けられるようになると、孤独になってしまいます。
人との関りがなくなると、脳は不活性化してしまい、認知症を誘引することになってしまうのです。

・心配性
心配性な人はそうでない人と比較して、認知症を発症するリスクが約2倍という研究結果(スウェーデンのヨーテポリ大学の調査)が出ています。
心配性の人は不安感を抱きやすいため、ストレスを感じている時間が長いことが原因と考えられています。

・気分が落ち込みやすい
抑うつ状態は脳の働きを鈍らせます。
さらに精神的に落ち込むと閉じこもりがちになるので、脳への刺激が減り認知症のリスクを高めます。

・神経質
神経質な人は日常生活でおこる些細なことでも気になり、ストレスを感じやすい傾向があります。
また、ネガティブな考えに陥り、うつ傾向になりやすく、脳の健康状態を悪化させて認知症の発症を引き起こす可能性があります。

・批判的
東フィンランド大学の脳神経学者トルパネン博士の論文によると、批判的な人はそうでない人と比べると、認知症の発症が3倍近く高いという結果が出ています。
皮肉や批判はストレスや孤立感を増し、認知症を引き起こすリスクを高めると考えられます。

【認知症になりやすい生活習慣】
・偏った食生活
食生活に偏りがあると栄養バランスが乱れ、特定の栄養不足や過剰摂取が起こり、脳の健康状態に悪影響を及ぼします。
さらに、食生活の乱れは脳血管障害といった病気や肥満の原因となり、認知症のリスクを高めます。

・一人暮らし
独居生活では社会的な交流や刺激が不足して、孤独感やストレスが増えます。
これにより認知機能の低下が進む可能性があります。

・飲酒
アルコールを大量摂取すると、脳梗塞などの脳血管障害を起こしたり、脳が萎縮することで認知症が引き起こされる原因になることがあります。
また、お酒が原因となるアルコール性認知症もあります。

・喫煙
喫煙しない人と比較すると、喫煙している人は認知機能が1.5~2倍も低下しやすいとされています。
喫煙は生活習慣病にも影響するとみられていて、認知症のリスクも高める要因になります。

・睡眠不足
睡眠時間が5時間未満の高齢者は、睡眠が7~8時間の高齢者と比べると、5年以内に認知症が発症するリスクが約2倍になるというデータがあります。
睡眠不足は、アルツハイマー型認知症の原因であるアミロイドβが脳内に蓄積しやすくなり、脳の神経細胞を害する恐れがあります。

・運動不足
運動は認知機能の維持や向上に効果があり、運動不足は認知症の発症リスクを高めます。
認知症になった方の13%が運動不足に関連するとも報告されています。

【認知症になりやすい病気や怪我】
・歯周病
歯周病菌はアミロイドβを増加させる可能性がありますが、アミロイドβの増加が認知症のきっかけになることがあります。
また、歯周病による口腔機能の低下により咀嚼する時間が減り、脳への刺激が減少します。

・糖尿病
糖尿病の人は健常者と比べて認知症になりやすいとされています。
糖尿病はアミロイドβの排出を阻害し、認知症の原因の一つであるアミロイド班の蓄積を促します。

・慢性腎臓病
腎機能が低下すると、体内から排出されるはずの尿素などが蓄積し、これが認知機能に悪影響を及ぼす可能性があります。

・高血圧
高血圧は脳梗塞などの脳に関する病気を発症させる要因となり、血管性認知症のリスクが高まります。

・パーキンソン病
パーキンソン病になると、神経伝達物質のドパミンが減少し、運動機能の調節がうまくいかなくなります。
パーキンソン病を発症した人の約4割が認知症を発症するとされています。

・頭部への強い衝撃
事故などで頭部を強くぶつけ、外的要因で脳が損傷することにより認知症につながることがあります。

【認知症になりやすい遺伝的要素】
アルツハイマー型認知症には、遺伝と関係のない「孤発性」と、遺伝が関係する「家族性」があります。
親が家族性のアルツハイマー型認知症を発症している子どもは約5割の確率で同じ症状を発症する可能性があるとされています。
ただし、アルツハイマー型認知症の約9割は孤発性とされるので、全体で見れば認知症が遺伝による発症はまれで、認知症全体にの約2~3%といわれています。
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