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2025.01.24
相談員ブログ

孤独死と孤立死について

【孤独死と孤立死の違い】
孤独死と孤立死はどちらも社会から孤立した状態で亡くなることを指しますが、その意味合いには違いがあります。
「孤独死」とは、家族や親戚がいても誰にも看取られず、何らかの理由で1人の時に亡くなった状態を指しています。
そのため、周囲が「最近、姿を見かけない」「連絡が取れなくなった」などの異変に気付きやすく、早期に発見されるケースが多いのです。
一方、「孤立死」は家族や親戚、近隣住民との関係性が希薄で、社会から孤立した状態で亡くなることを指します。
孤立死した場合、居室内で亡くなっていても周囲から気づかれにくく、遺体の発見が遅くなってしまうケースが多くなります。
孤独死と孤立死の共通点は、どちらも誰にも看取られずに亡くなることです。
しかし、孤立死は普段から社会とのかかわりが乏しいのに対して、孤独死は周囲との交流がある点で異なります。
2024年の1月から6月までに全国の警察が遺体の調査を行った10万人のうち、約3割が1人暮らしで、死後1カ月以上経ってから発見された人は4000人近くに及びました。
自宅で発見された1人暮らしの死亡者は、65歳以上の高齢者が7割以上を占めています。
これらの社会情勢を踏まえて、「孤独・孤立対策推進法」が施行されました。
社会に孤独や孤立する人を無くし、相互に支え合い、人と人とのつながりが生まれる社会を目指しています。

【孤独死・孤立死の増加する要因】
・家族構造の変化
核家族化が進んだことにより、子どもや孫と同居する高齢者が減少し、高齢者の単身世帯が増加しています。
また、少子化により高齢者を支える家族が減少しているため、独居になってしまう高齢者が増加しています。

・地域社会の変化
近所付き合いが希薄になっていて、高齢者が地域コミュニティに参加する機会が減少しつつあり、孤立しやすい環境が生まれています。

・経済的要因
年金だけでは生活費を賄えない場合、医療や介護サービスの削減を余儀なくされることがあります。
適切な医療や介護が得られない状況で、孤独死のリスクを高めてしまいます。

・心理的要因
社会や家族と距離のある生活をすることで、孤独感や疎外感を感じるようになります。
その状況がうつ病やメンタルヘルスの悪化など、心理面での不調を引き起こしてしまいます。

【孤独死・孤立死の共通点】
孤独死・孤立死の男女比は男性が8割を占めていますが、男性の方が周囲とのコミュニケーションが苦手な傾向が要因と考えられています。
孤独死・孤立死する人の特徴として、以下のようなことが挙げられています。

・1人暮らしをしている
もともと1人暮らしをしていたり、パートナーとの離別や死別により1人暮らしになり、体調の急変に気づく人が周囲にいないと孤立死に陥りやすいです。

・高齢である
高齢になると健康面などに問題を抱えやすくなることに加え、環境適応能力が低下する傾向があります。
そのため、社会や自分を取り巻く環境の変化に適応できず孤立を深めてしまうことがあります。

・社会からの孤立
近所や社会との交流が少なかったり、身近に頼れる人がいなかったりする人も、孤立死につながりやすいと考えられます。
相談相手がおらず、社会から孤立する人が増加している現状があります。

・家事が苦手
家事が苦手だと食事が疎かになり、清掃も不十分で衛生状態が悪くなり、体調に悪影響を及ぼします。
さらに、病気を患うと部屋が片付けられなくなり、不衛生から孤独死の確率を高めてしまいます。

・無趣味
生活の中に楽しみや趣味が無いと活力が衰え、社会からの孤立を深めてしまいます。

・病気を患っている
病気を患い家から出ず、誰とも会わない日が増えると、周囲から孤立してしまいます。
また、うつ病などの病気を抱えている人は自殺などにより孤立死する場合もあります。

・経済的な困窮
経済的な生活苦が体調や精神面に与える影響は少なくありません。
高齢者の貧困率は年齢が上がるほど上昇傾向が見られます。

【孤独死・孤立死を予防する方法】
・家族や友人との定期的なコミュニケーション
家族や友人などと連絡を密にとり、近況を把握することが大事です。
定期的にコミュニケーションを取ることで、孤独感を緩和することができます。

・健康管理を心がける
定期的に健康診断を受けたり、食生活や運動を見直し、健康的な生活を心がけることが大切です。
病気や怪我をした場合は、早めに受診しましょう。

・地域社会とのつながりを持つ
地域社会とのつながりを持つことで、必要な情報や支援を得られるだけではなく、何かあった際に助けを求めやすくなります。

・緊急時の連絡先をわかりやすく明記する
緊急連絡先を身の回りの物に記載することで、もしもの時に対応しやすくなります。
近隣住民にも連絡先を伝えておくことも必要です。

・見守りサービスを活用
高齢者向けの見守りサービスを活用することで、定期的に安否確認を行い、孤立死のリスクを軽減することができます。
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