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2025.06.25
相談員ブログ

動脈硬化について

【動脈硬化とは】
動脈は心臓から送り出された血液を全身に運ぶための血管です。健康な人の動脈は弾力性があり、柔らかく、内壁も滑らかで血液はスムーズに流れています。
動脈硬化とは、動脈の内壁が厚く硬くなり、弾力性が失われる状態を指します。
この変化は加齢や高血圧、脂質異常症、喫煙、糖尿病などの生活習慣病によって進行し、血流が悪化することで、全身の臓器に十分な参加や栄養が届きにくくなります。
動脈硬化は進行しても自覚症状がほとんどないため、放置されやすく、気づかないうちに重篤な病気の引き金になることがあります。
やがて、血管の内側にさまざまな物質が付着して血管が狭くなり、血流障害が生じ、心筋梗塞や脳卒中など命に関わる疾患を引き起こすこともあります。

【動脈硬化になる理由】
動脈硬化の直接的な原因は、血管の中に「プラーク(粥状[じゅくじょう]のかたまり)」が形成されることです。
血管の内壁に入り込んだ悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を異物と見なして、マクロファージ(免疫細胞の一種)が取り込みます。
マクロファージが悪玉コレステロールを取り込むと泡沫細胞となり、最終的に死滅し、その残骸が蓄積してプラークとなります。
このプラークにより、血管の内壁が厚くなり、血液の通り道が狭まり、動脈硬化となっていきます。
プラークが破れると、その損傷部位を修復するため血小板が集まり、「血栓」が形成されます。血栓によって血管が詰まると、その先の組織に酸素や栄養が届かなくなります。
また、以下のような間接的な因子も動脈硬化の進行に関与します。

・善玉コレステロール(HDLコレステロール)の減少
善玉コレステロールは余分なコレステロールを肝臓に戻す働きを持ちます。そのため、善玉コレステロールが減少すると血管内に悪玉コレステロールが蓄積しやすくなり、動脈硬化を進行させます。

・中性脂肪の増加
中性脂肪が多いと悪玉コレステロールが小型化し、より血管の内壁に入り込みやすくなるとされています。

・高血圧
高血圧によって血管に強い圧力がかかり、血管の内側の細胞が損傷を受けやすくなります。傷ついた血管は悪玉コレステロールが付着しやすくなり、動脈硬化を促進します。

・肥満
特に内臓脂肪型肥満は、悪玉コレステロールや中性脂肪の増加、善玉コレステロールの低下を引き起こしやすく、動脈硬化のリスクを高めます。

・高血糖や糖尿病
血糖値が高い状態が続くと、血管の内側が障害され、悪玉コレステロールが沈着しやすくなります。また、糖化最終産物(タンパク質と過剰な糖が結合してできる物質)も血管の老化を促進します。

・喫煙
喫煙は血管を収縮させ、血圧を上げるほか、活性酸素の産生を促進し、悪玉コレステロールの酸化を引き起こします。酸化した悪玉コレステロールは特に血管壁に沈着しやすく、動脈硬化を強く進めます。

【動脈硬化によって引き起こされる病気や合併症】
動脈硬化は「サイレントキラー(沈黙の殺し屋)」とも呼ばれ、症状が現れる頃にはすでに重篤な病気を発症していることがあります。代表的な疾患には以下のようなものがあります。
・狭心症
冠動脈が狭くなり、心筋への血流が不足して、運動時や精神的ストレス時に胸の痛みや圧迫感が生じます。

・心筋梗塞
冠動脈にできたプラークが破れて血栓が生じ、完全に血流が止まることで心筋が壊死する病気です。

・脳梗塞
脳内の血管が詰まり、脳細胞が死んでしまいます。言語障害、片麻痺、意識障害などの後遺症を残す場合があり、致命的となることがあります。

・腎臓病(腎硬化症など)
腎臓の細動脈硬化で狭窄・閉塞すると、腎機能が低下し、萎縮腎や尿毒症へと進行することがあります。

・閉塞性動脈硬化症(抹消動脈疾患)
下肢の動脈が狭くなり、歩行時に足の痛みやしびれが現れます。

【動脈硬化の予防と改善方法】
動脈硬化は生活習慣の見直しによって予防・進行の抑制が可能です。
以下の点を意識しましょう。

・バランスの良い食事
食物繊維を多く含む野菜や果物、魚、ナッツ類を積極的に摂りましょう。
飽和脂肪酸(ラード、バター、霜降り肉など)の摂取は控え、不飽和脂肪酸(青魚、オリーブオイルなど)を取り入れると効果的です。

・適度な運動
ウォーキングやストレッチなどを毎日続けましょう。
筋肉を増やして基礎代謝を上げることで、糖や脂肪の代謝を良くすることができます。

・禁煙
タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素は、血管にダメージを与えます。
タバコを吸わない、または減らす努力をしましょう。

・酒を控える
アルコールは長い間飲み続けると血圧を上げ、血管を痛めることになります。

・ストレス管理
趣味やリラックスする時間を作り、ストレスを溜め込まないようにしましょう。

・定期的な健康チェック
血圧や血糖値、コレステロールの数値を確認し、早めに対策を取りましょう。
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