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2026.04.08
相談員ブログ

【別表7・8について第2回】特定の病気なら「毎日」でも看護師を呼べる?

【「別表7」に指定されている病気とは】
前回は、特定の病気や状態であれば、訪問看護を介護保険ではなく「医療保険」の枠組みで利用できるという仕組みについてご説明しました。今回は、その具体的な対象となる「別表7」のリストについて確認していきましょう。

このリストには現在、20種類の疾患が指定されています。最も代表的なものは「末期の悪性腫瘍」、つまり末期がんです。その他には、パーキンソン病関連疾患や多系統萎縮症、進行性核上性麻痺といった難病のほか、多発性硬化症、重症筋無力症、脊髄損傷、さらにはALS(筋萎縮性側索硬化症)などの重度な神経難病が並んでいます。
これらに共通しているのは、厚生労働省が「在宅で生活を送るためには、非常に高い頻度で専門的な看護介入が必要である」と認めている疾患であるという点です。

【なぜ「医療保険」への切り替えが重要なのか】
これらの疾患を抱える方が、訪問看護を医療保険で利用することには、主に3つの大きなメリットがあります。

1つ目は、前回も触れた「介護保険の支給限度額(枠)を消費しない」ことです。難病を抱えながら生活する場合、特殊なベッドや車椅子、あるいは入浴のための介助など、多くの介護サービスが必要になります。もし訪問看護が介護保険のままであれば、看護師を呼ぶだけで枠がいっぱいになり、他のサービスを諦めざるを得ません。しかし、医療保険での訪問看護が適用されることで、介護保険の枠を丸ごと「生活を支えるサービス」に回せるようになります。(※訪問看護の費用は、別途医療保険の自己負担分として支払います)

2つ目は、「訪問回数の制限が大きく緩和される」ことです。通常の医療保険による訪問看護は、原則として「週3回まで」が上限ですが、別表7の対象者は、この制限が大きく緩和され、医師が必要と認めれば毎日でも訪問看護を受けることが可能になります。

3つ目は、「利用できるステーションの選択肢」です。通常、訪問看護を医療保険で利用する場合は1か所の訪問看護ステーションの利用が原則ですが、別表7に該当する方は、主治医の指示のもと、関係するステーション同士が連携体制を整えることで、例外的に最大3か所までを同時に利用することが認められています。
例えば、平日はいつものステーション、土日は別のステーションといったように、地域の資源を組み合わせながら、24時間365日のサポート体制を構築することも可能になります。

【診断名が「鍵」を握る】
ここで非常に重要なのが、医師による正確な診断名です。例えば、単に「パーキンソン病」と診断されているだけで、初期の段階などでは別表7に該当しない場合があります。しかし、病状が進行し「ホーエン・ヤールの重症度分類が3度以上」かつ「生活機能障害度がⅡ度またはⅢ度」という基準を満たしているかどうかは、医療機関において評価・判断され、その基準を満たした場合には、別表7に含まれる『パーキンソン病』として扱われ、この特別なルールの対象となります。
なお、こうした判断は診断名だけで機械的に決まるものではなく、病状や生活状況も含めて主治医が総合的に行います。

こうした専門的な基準は、一般のご家族には分かりにくいものです。しかし、「この病気は別表7というものに当てはまるのではないか?」という視点を持っているだけで、主治医やケアマネジャーへの相談の仕方が変わります。診察の際に「別表7に該当するかどうか」を一言聞いてみるだけでも、利用できる制度の幅が大きく広がる可能性があります。

【制度を切り替えるための手続き】
「医療保険で訪問看護を受けたい」と思った時、ご家族が役所へ行って複雑な申請をする必要はありません。鍵を握るのは、主治医が発行する「訪問看護指示書」です。
医師が指示書の病名欄に、別表7に該当する疾患名を記載し、訪問看護ステーションへ発行することで、医療保険での訪問看護が適用される仕組みとなっており、その後の保険種別の確認や算定に関する手続きは、訪問看護ステーション側で行われます。

【家族が「介護」から「家族」に戻るために】
難病やがんの療養は、長期戦になることが少なくありません。家族だけで全てを背負い込もうとすれば、いつか必ず限界がやってきます。
別表7という制度によって、医師の指示と訪問看護ステーションの体制に基づき、必要な頻度で訪問が行われ、状態によっては毎日の訪問体制が組まれることもあります。
状態が不安定な時期には、同様に医師の指示のもとで、必要に応じて1日に2回、3回と訪問回数を増やすことも可能になります。
その安心感があるからこそ、ご家族は介護に追われるだけではなく、大切な人と穏やかな時間を過ごす「家族」としての役割を取り戻すことができるのです。
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