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2023年06月05日

自立支援ケアと認知症ケアを融合する「アライブ代々木大山町」

株式会社アライブメディケアはさまざまな介護医療を提供する、セコム株式会社を中核とするセコムグループの一員です。
アライブメディケアは介護保険制度が開始する前年の1999年より介護付きホームの運営を続けています。第2期創業期を迎え、なかでも重要視しているのが「自立支援ケア」と「認知症ケア」。このふたつの介護の方向性とこだわりを融合させたものがアライブケアメソッドです。

今回訪問したのは「アライブ代々木大山町」。代々木上原駅、幡ヶ谷駅、笹塚駅へいずれも徒歩圏内で行けるアクセスも良好の地です。
インタビューに応じてくださったのは代表取締役安田雄太社長、営業推進部兼運営部野上辰男部長です。

外観

第2期創業記のアライブの取り組み

今日は社長自らインタビューに応じていただき、感謝申し上げます。今取り組んでおられることを教えてください。

安田社長:私たちが老人ホームを運営し始めた当時は東京には老人ホームが都心にほぼない頃で、オープンすればすぐに満室になるという状況でした。
しかし、徐々に競合他社が増えるとアライブが選ばれなくなってきたのです。他社と比べた時に当社独自の特徴を伝えきれていないとともに、従来の「お世話型介護」の在り方を見直さなければならなくなっていました。そこで約5年前から改革をはじめ、今は第2期創業期の最中なのです。
改革を始めるにあたり、「自分の人生が終わっていく時にどんな人がそばにいてもらいたいか?」という事をまず考えました。
みなさん心温かい人や自分を本当に思ってくれる人に看てもらいたいはずです。では、我々はそれに相応しい人になれているのか?という疑問がすべてのスタートだと考えた訳です。
私は現場からのたたき上げですから、ご入居者の生活を毎日支えているスタッフの姿をずっと見てきた中で、たくさんの声を聞き、何人ものスタッフと話し合い、自分たちの潜在能力は何か探りました。そこで改めて利他心を持つ優しいスタッフが多くいることを知りました。ご入居者やご家族お一人おひとりに向き合い寄り添うことで「真の望み」を叶える力を持っていると実感したのです。

改革は人の心にあると見られたのですね。

安田社長:介護に携わる人としての在り方を私自身が倫理や道徳哲学などから学び直しました。そして、結局言えることは「自分が幸せでないと、相手を幸せにできない。自分が幸せなら、相手を幸せにできる」ということなのです。人は心を育てなければ利他の精神が発揮できません。
そこで「知情意」に重きを置きました。
「知」とは知恵・メソッドや倫理・技術を意味し、結果を出す介護を目指し、研鑽を続けるということです。
「情」は情愛、慈しむ気持ちやウェルビーイングを意味します。幸福度が高い人ほど良い介護ができると考えます。それは、前向きさや、感謝、楽観性や他人との違いをありのまま受け入れるなどがあげられます。
「意」は意志です。志(こころざし)を持ってお客様のために業務にあたることです。例えば社員の中にも、正しいことが言えない、部下を指導できないリーダーもいます。しかし、お客様のためになっているかという視点に立つと、何が重要かが見えます。人を大切に思う気持ちがあり、相手にとって大事で必要なことならしっかり言葉に表して言う大善が必要です。

介護する人の道を掘り下げているのですね。

安田社長:この知情意をしっかり具体化して研修を行い、かつ評価制度を設けたのです。360度評価を取り入れ、同僚同士または部下が上司を評価することもしています。
アライブに入居したら知情意のバランスが取れたスタッフに出会える。そうすると「あなたに介護してもらった良かった」と言ってもらえるシーンが増えることと考えています。
私たちは最先端のテクノロジーも導入していますが、結局は人間が関わることですから普遍的な人間のあり方を学んでいます。人づくりをどうあるべきか常に問うていますし、良いメンバーが集まりチームができれば素晴らしい介護サービスを提供できると考えます。

エントランスホール
エントランスホール

「自立支援ケア」について

他にも力を入れて取り組まれていることをお聞かせください。

安田社長:今までの「お世話型介護」からバージョンアップする取り組みを「Alive‐UP」と呼んでいます。
現在弊社のご入居様の平均年齢は約90歳、平均介護度は要介護2.5になります。そうすると「もう年だから」という固定観念や先入観を持ってしまいがちです。取り組むことをあきらめてしまうエイジズムを私たちは徹底的に排除しようと努めているのです。それを6項目の「自立支援ケア」という具体的なものにしています。

1.「水分」1日1,500mlを目安に摂取することで代謝を活性化する。
2.「食事」1日1,500カロリーをベースに栄養状態の改善を図る。
3.「排泄」下剤ゼロ、おむつゼロを目指し、腸内環境を整えて免疫力を上げる。
4.「運動」歩行を全ての活動の基礎とし、自分の足でいつまでも歩ける状態を目指す。
5.「睡眠」睡眠の質に着目し、自律神経を整えて生活リズムを一定に保つ。
6.「減薬」薬剤の適正化で多剤併用による有害事象を防ぐ。


これらはリスキリングしながらでないとできません。介護生理学に近いことをスタッフには学んでもらっています。この取り組みは根拠あるケアを提供するために必要な取り組みなのです。

脱エイジズムを実践されているのですね。

安田社長:ご家族もスタッフも「年だからもういいんじゃない」と思いがちです。例えば、あまり歩かれない方に歩くことを奨励すると、「かわいそう」という声も上がります。また、ご本人も久しく運動していなかったご不安や部位の痛みを仰ることもあります。しかしスタッフがお声掛けをして寄り添い、根気よく取り組んでいるうちにご本人が「もっと歩く練習がしたい」「新しい靴が欲しい」、さらに「歩いて外出したい」と言われたこともあります。「年だから無理」と安静にばかりしているとどんどん体力が低下します。私たちはエイジズムという囚われから脱することを心掛けています。

他にも「5つのM」を大事にしているとパンフレットにありましたが、そちらについて詳しく教えてください。

安田社長:北米では在宅医療がとても進んでいるのですが、北米の医師が診察の際に大事にしている概念でもあります。
Mobility(からだ)これは身体機能のことですが先ほど述べた自立支援のことです。
Mind(こころ)認知機能や精神状態のことです。認知症の取組みは改めてお話しします。
Medications(くすり)ポリファーマシー(多剤併用)です。今、アライブ12ホーム平均で4.9錠までコントロールできていますが、下剤や眠剤を介護力で不必要にしていくように努めています。今後、薬局と協業しながら体重変化や、転倒率と入院率の減少を証明していこうとしています。
Multicomplexity(よぼう)皆様何らかの持病を抱えておられますが、多様な疾患への予防のことを指します。高齢者の疾患は一般的な検診では見えてこないところもあります。認知症の状態をMRIでしっかり検査をしてからケアを始める等、適切な予防介護をしていきます。
Matters Most to Me(いきがい)北米の医師が一番大事な事と説いている概念で、人生の優先順位、つまり我々の理念である「真の望み」を中心に据えたうえで上の4項目を取り組みます。
入居時にアセスメントをしますがご本人の人生やお気持ちに焦点を置いて聞き取りをしています。心を見ずに体の状態ばかり見てケアしてしまうことを防ぐためです。その情報をもとに倫理的カンファレンスを各職種集まって話し合ったうえでケアを始めているのです。

屋上庭園
屋上庭園

認知症ケアについて

「自立支援ケア」と「認知症ケア」を融合させたものがアライブケアメソッドと呼ばれていますが、認知症ケアについて教えてください。

安田社長:認知症ケアの取り組みは弊社の1丁目1番地です。
順天堂大学医学部附属順天堂医院 認知症疾患医療センターなど専門研究機関と連携しています。脳のどの部位に委縮ができているかなど診断したうえで実績に基づいた知見から行動を予測し、初動からその方に合ったケアを実践しています。
特定のスタッフが対応すると落ち着かれるという属人的なことではなく、先ずスタッフ自身が認知症に対する理解と知識を持ち、科学的に考察された対応をチームで行うようにしています。その方の特性を知ったうえでケアを統一することで不安の抑制にも繋がり、認知症の周辺症状を予測できたらケアの質が上がります。色々な会社とも共同して検知システムを構築していて、AIやセンシングなど取り入れています。
先日も認知症がひどく、どこの施設も受け入れられないと断られた方をアライブでお迎えしました。環境の変化によるご本人のご不安をいかに取り除けるか、スタッフが試行錯誤した結果、約1週間でご様子が落ち着かれたので、ご家族もとても驚かれ感謝しておられましたね。

ここアライブ代々木大山町の認知症対応はいかがですか?

野上部長:このホームが弊社の中でも取り組みが最先端です。
順天堂大学の認知症疾患医療センターの最も権威ある本井センター長が待ち時間無しで診てくれます。そこでの診断結果を基に、アライブとホーム訪問医で協力し、薬に頼らずケアの力で症状緩和に繋げ、ケアのPDCAを回していきます。
入居前アセスメントもその方の歴史や趣味など深い所まで聞き出したうえで対応を考えていますので、ご本人が安心できる環境をチーム皆で作り上げることで、早く落ち着くことができるようになっていますね。認知症における結果を出せる介護ができていると言えます。

高級老人ホームでこんなに認知症に取組んでいる所はあまり聞きませんね。

安田社長:日本の認知症高齢者数は2050年には1000万人を超え、割合にすると全人口の10人に1人になるとも言われています。社会的課題の最前線に私たちはいるわけです。ですので私たちが創業から20年余で得て来た実績や知見を積極的に認知症ケア学会などの学会にも事例発表をしています。
また競合他社が増えている中で、他社で対応できない、認知症ケアでも困っている方に専門性をもって対応できる、地域貢献もできるホームとして際立っていこうと考えています。

営業推進部兼運営部部長 野上辰男部長
営業推進部兼運営部部長 野上辰男部長

人に恵まれた人生

最後になりましたが、安田社長の今までの歩みについて教えてください。

安田社長:小学生の頃からずっと飛行機のパイロットに憧れていました。ついにパイロット養成学校に入るというその前に不慮の事故にあってしまい、身体検査で不適正となってしまったのです。
1年くらい進路に悩んでいました。
そんな私を見た親戚から「世の中に答えのないものや、これから作っていくものは面白い」とアドバイスされたのです。
折しも介護保険制度が施行される頃で、医療介護を学びアライブメディケアの親会社である荒井商店を選んだのです。介護事業に携わりたいと何度も当時の当社社長に熱く語りました。そしてアライブの立ち上げに関わるようになったのです。ケアスタッフ、営繕や入居相談、ホーム長など様々な職種を経験して合計13年間現場業務に従事しました。その後本社配属となり、2021年6月から代表取締役に就任して今に至ります。
私は人に恵まれているなとつくづく思います。良いタイミングでしかるべき人と出会い、しかるべき人が集まってきます。そのご縁で今があるのです。

今日はお忙しい中、本当にありがとうございました。

代表取締役 安田雄太社長
代表取締役 安田雄太社長

施設情報

施設名 アライブ代々木大山町
施設種別 介護付有料老人ホーム
住所 東京都渋谷区大山町27-15
入居時費用 0円~5,566万円
月額費用 264,880円~963,580円
アクセス 小田急線・東京メトロ千代田線「代々木上原」駅より徒歩8分(600m)
京王新線「幡ヶ谷」駅より徒歩10分(780m)・「笹塚」駅より徒歩11分(840m)
居室
応接室
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老人ホーム相談プラザは、有料老人ホームや介護施設を経験豊富な専門の相談員が店舗・訪問・電話・オンライン・一括資料請求等、無料で相談・紹介をしています。老人ホームのホームページやパンフレットに記載されていない評判や雰囲気、医療・介護体制の実態、特色など実際に訪問しないと分からない最新の情報を収集し、公正・中立な立場でプロの目線からお客様のご希望に合った老人ホーム・介護施設を選定・ご提案いたします。老人ホームの見学予約・見学同行・入居時の送迎支援、入居後のアフターフォローもおまかせください。
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