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2019年05月13日

介護付有料老人ホーム「クロスハート石名坂・藤沢」 (社会福祉法人 伸こう福祉会)《前編》

小田急江ノ島線「藤沢本町」駅より徒歩約10分。「藤沢市石名坂温水プール」の隣

 お探し介護ライターが実際に施設へ足を運んで、見て、聞いて、体験して、感じたままを報告する施設訪問レポート。今回は介護付有料老人ホーム「クロスハート石名坂・藤沢」を訪ねました。



 社会福祉法人「伸こう福祉会」が運営する介護付有料老人ホーム・クロスハートシリーズから、2施設目の登場となる「クロスハート石名坂・藤沢」。クロスハートシリーズとしては、前回取材した「クロスハート湘南台・藤沢」と、「クロスハート湘南台二番館」とを合わせて3つの介護付有料老人ホームと、「クロスハート栄・横浜」「クロスハート野七里・栄」「クロスハート幸・川崎」という3つの特別養護老人ホームがあります。

 その他、高齢者グループホームを11施設、デイサービス6施設、小規模多機能型居宅介護・看護小規模多機能型居宅介護4施設、訪問介護・訪問看護2施設、障害者グループホーム・就労支援事業所3施設、地域ケアプラザ2施設を展開(2018年5月現在)。そのほとんどが「クロスハート」の名を冠しており、すべて神奈川県に集中しています。地域密着型といっていいでしょう。基幹となる老人ホームの名称にあえて石名坂や湘南台というマイナーな地名を入れたところに、地域への愛着を感じます。

 また、「伸こう福祉会」は株式会社ではなく、社会福祉法人であることも特色のひとつで、もともとは片山ます江さんという女性の方が、「こうあってほしい、と思う保育園を、自分でつくった」保育園がそもそものはじまり。現在も「キディ」というブランドで9施設ほどの保育園も運営しており、そこから発展した高齢者向け事業でもここまで大きく成長した「伸こう福祉会」の現在の理事長・足立聖子さんは、創業者である片山さんの実の娘さん、といったことは前回の「クロスハート湘南台・藤沢」の項でわりと詳しく触れていますので、ぜひそちらもご覧ください。同シリーズから2施設目の登場となると、こんなふうに省略できますから便利ですな。

 ということで、いざ、「クロスハート石名坂・藤沢」へと参りましょう。最寄り駅は小田急江ノ島線「藤沢本町」駅。改札を出てすぐ右手の踏み切を渡り、右折して線路に沿って歩き、藤沢バイパスの下をくぐったら左折して、住宅街を抜けたあたり。徒歩約10分の道のりは、途中に目印になるものがないのでわかりにくいし、説明もしづらいんですが、隣に「藤沢市石名坂温水プール」があるので、それを目指すといいかもしれません。

バスの案内は――パス(笑)。いただいた資料にもホームページにも記載がないことを言い訳に割愛させていただきます。まあ、近くにバス停がないことはないはずなんですが、それより駅から歩いた方が早いということでしょう。もしくはクルマなら、「藤沢バイパス」を光妙寺の前、石名坂環境事業所の横から降りてすぐなので便利。施設玄関脇に駐車場もございます。タクシーだったら、「藤沢本町」駅前には多分タクシーは停まってないので、隣の「藤沢」駅から乗ったほうがいいでしょう。

「クロスハート石名坂」外観
正面玄関横のスペースに置かれたテーブル&チェア
下駄箱がないのですっきり広々した玄関

改装型とは思えない老人ホームらしい佇まいの地上3階建て

 取材当日も「藤沢本町」駅からてくてく歩き、辿り着いた「クロスハート石名坂・藤沢」の鉄筋コンクリート造・地上3階の建物は、最初パッと見ただけではわからなかったのですが、後で聞いたところによると、もともとはとある企業の社員寮だったそうです。

 そういえば、前回の「クロスハート湘南台・藤沢」も同じく、どこかの会社の寮を改装した建物でしたから、これはクロスハート・シリーズの特色といっていいのかも。まあ、新しい建物を一から建てるより安く上がりでしょうから、賢いやり方ですよね。

 それを聞いて、改めて「クロスハート石名坂・藤沢」の外観を眺めてみても、べつに違和感はないですよ。前回取材した「クロスハート湘南台・藤沢」は、最初に見たときから普通の老人ホームとは違うなあ、という雰囲気を感じ、後で改装した建物だと聞けば、なるほど、そういうことか、と納得したものですが、今回の「クロスハート石名坂・藤沢」は、改装型と聞いて逆に意外に思うほど、しっくりと老人ホームらしい佇まい。正面玄関周りの植樹や屋外用テーブルやチェアもいい感じです。

 「クロスハート石名坂・藤沢」の開設は2010年12月。建物はそれ以前からあったので築年数はもっと古いはずなんですが、そのわりにさほど老朽した感じはせず、むしろ清潔感さえ漂っているのは、日頃の手入れ・清掃の賜物だとお察し致します。

 では、館内へ。もともとは福祉・介護向けの建物ではなかったので、玄関前に階段があるのはしょうがない。でも、手すりやスロープは後付けされているのでご安心ください。玄関の扉を開けて、そのまま足を踏み入れます。そう、館内は土足OKなんです。老人ホームとしては珍しいですよね。もしかしたら寮だった頃の名残かもしれません。でも、考えようによっては、わざわざ靴を履き換える手間が省けて便利だし、玄関に下駄箱がないのですっきりしているし、意外にいいかも。老人ホームは土足厳禁が当たり前と思っている皆さん、ご一考ください。

 もとは寮だったので受付というものが見当たらず(あったかもしれないけど気がつかず)、たまたま前を通った職員の方に声をかけると、もとは管理人室だったに違いない事務室から出てきて、迎えてくれたのは施設長の藤澤祐人さん。ほう、ずいぶん若い施設長ですね。また施設長じきじきに案内してくれるみたいで恐縮です。が、そこでは挨拶もそこそこに、まず向かったのは、お風呂です。

 これにはちょっとした理由がありまして、じつは今回は、いつもの「お探し介護」の取材レポートではなかったんです、当初の予定では。じゃあ何の取材かというと、まったく別の企画で、「温泉に入れる施設」を探していたところ、お探し介護相談員の1人が「クロスハート石名坂・藤沢」のお風呂は温泉だよ、と教えてくれたので、こちらで「温泉を取材させてください」とお願いした次第。

 つまり、予定では取材は温泉のみで、その他は、まあ、せっかくだからついでに見せてもらいましょうか、というぐらいの軽いノリだったんですよ、じつは。それが取材当日、藤澤施設長の案内で館内を巡り、お話も伺ううちに、「これは温泉だけではもったいない。ぜひ、お探し介護の取材レポートでも取り上げたい」と思い直して、ここに登場!という経緯があったことを、読者にとってはどうでもいい話かもしれませんが、一応、ご説明させていただきます。

 ちなみにその「温泉に入れる施設」の企画については、その後、他の相談員の反対があり、残念ながら頓挫中。でも、皆さんの要望があればぜひ、今からでも反対を押して実現したいと思っておりますので、当サイト内「お探し介護に意見を送る」まで、叱咤激励の投稿をお待ちしております。

改装型とは思えない老人ホームらしい佇まいの地上3階建て
当施設の特長その1:天然温泉の大浴場
改装型とは思えない老人ホームらしい佇まいの地上3階建て
大浴場の更衣室。何気にオシャレ。
改装型とは思えない老人ホームらしい佇まいの地上3階建て
白を基調とした清潔感溢れる館内

特長その1:毎月2回、熱海から8トントラックで運ばれて来る「天然温泉」

 で、話を戻しますが、「クロスハート石名坂・藤沢」には大きく3つの特長がありまして、その1つが先ほど申し上げた「温泉」です。いや、ホームページには「天然温泉」とありますので、ここでも「天然温泉」という言葉を使いますが、ここのお風呂は、熱海から月2回、8トントラックで運ばれてくる「天然温泉」を使っているんです。温泉が好きな人は要チェックですよ。

 そう言うと、特長のあと2つは何か?というのが気になるでしょうが、まあまあ、慌てずに。後ほどちゃんと触れますから、先に「天然温泉」についてもう少し詳しく説明させてください。

 その「天然温泉」が入る大浴場は、温泉という言葉から連想するような岩風呂とか露天風呂とかではなく、どちらかといえばスーパー銭湯のようなイメージ。これもかつて寮だった建物の名残でしょう。脱衣場にちょっとモダンアートっぽいチェアが置いてあったりして、全体的に現代的なお風呂です。それでいて浴槽にはちゃんと源泉から汲み上げ、運ばれてきた正真正銘の「天然温泉」がなみなみと満たされるというギャップ。雰囲気よりも泉質にこだわりを持っていらっしゃる、本当の温泉好きにおすすめしたいお風呂です。

 温泉ですから、源泉名や泉質、効能などを示した「温泉分析書別表」がここでも脱衣場に掲げられています。せっかくですからそのまま引用してみましょう。普通はそんなことしませんけど、今回だけ特別に。

1.源泉名    熱海和光台3号線 上多賀4号 台帳番号 323-004号
2.湧出、揚湧地 熱海市上多賀字曽我1027-62
3.泉質     ナトリウム塩化物・塩化物強塩温泉(高張性・弱アルカリ性・低温泉)
4.療養分類の泉質に基づく禁忌症、適応症等は次のとおりです。
(1)禁忌症、適応症 (中略)
ア 一般的禁忌症(浴用) 急性疾患(特に熱のある場合)、活動性の結核、悪性腫瘍、患い心臓病、心臓病(ただし高温浴(42℃以上)の場合)、呼吸不全、腎不全、出血性疾患、高度の貧血、高度の動脈硬化症(ただし高温浴の場合)、高血圧症(ただし高温浴の場合)、その他一般に病勢進行中の疾患、妊娠中(特に初期と末期)
イ 泉質別禁忌症(浴用)
ウ 一般的適応症(浴用) 神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進
エ 泉質別適応症(浴用) きりきず、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病
(以下略)

 実際にお湯に触ってみると、わりとサラサラで、かつ滑らかさもあり、いかにもお肌がスベスベになりそう。開湯1270年、総湧出量毎分16600リットル、源泉総数が500を超える温泉場としては全国屈指の高温温泉リゾート・熱海の源泉から直接運ばれてくる温泉、もとい、「天然温泉」を、施設にいながらにして堪能できるのですから、贅沢な話です。

 しかも、大浴場は男女入れ替え制ですが、時間内なら自由に入浴可。入居者の中には毎日入る人はもちろんのこと、友達を誘って裸の付き合いを楽しまれている方などもいらっしゃるそうで、ええですなぁ。私も温泉は大好きなので、うらやましいかぎり。

 それにしても、お金も手間もかかる「天然温泉」をなぜ、わざわざ? と藤澤施設長に聞けば、やはり、「何か“売り”になるものをつくらないと勝てない、という思いが開設前にありまして、色々考えていたところ、“温泉に入りたい”という要望が意外に多いことわかり、じゃあ、大変だけど、思い切ってやってみよう、と」。

 その結果はご覧のとおり。「おかげさまで好評をいただきまして、やってよかったと思っています。ちなみに当施設には天然温泉の他にももう2つ、特長がありまして、それは……」
あ、ちょっと待った。その続きは後編でお願いします。(ということで、後編に続く)

特長その1:毎月2回、熱海から8トントラックで運ばれて来る「天然温泉」
館内共有スペースに置かれたソファ。何気にオシャレ。
特長その1:毎月2回、熱海から8トントラックで運ばれて来る「天然温泉」
1階正面玄関横の応接室。何気にオシャレ。
特長その1:毎月2回、熱海から8トントラックで運ばれて来る「天然温泉」
1階相談室。何気にオシャレ。

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