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2019年08月05日

サービス付き高齢者向け住宅「ガーデンテラス仙川」(シマダリビングパートナーズ株式会社)《後編》

建物内に保育園とクリニックとデイサービスを併設

 お探し介護ライターが実際に施設へ足を運んで、見て、聞いて、体験して、感じたままを報告する施設訪問レポート。サービス付き高齢者向け住宅「ガーデンテラス仙川」の後編です。



 不動産に旅行やホテル、飲食と幅広く事業を展開している「シマダグループ」が、自らの発祥の地に、満を持して建てた念願のサ高住「ガーデンテラス仙川」。その華やぎと歓びに満ちた庭園邸宅の緑豊かな景観デザインを眺めたところで前編は終了。後編はしょっぱなから館内へ、入った途端、あれれ、ずいぶん賑やかですねえ。

 なんと、小さな子供たちがキャッキャ、キャッキャと、そのへんを走り回っているじゃないですか。えーと、ここはどこ? 来るところを間違えたかな? と、思う間もなく、子供たちは先生に引率され、手を取り合って出ていきます。そんな小さな嵐が去った後のエントランスフロアの静かなこと。重厚で落ち着きのある、大人の空間と可愛らしい幼児たちとのギャップが面白くて笑っちゃいました。

 この子供たちが、同施設の1階に併設された「ひばりの保育 仙川のいえ」の保育園児であることは言うまでもないですね。同じく「シマダグループ」が運営する「石垣島ホテルククル」に次いで2園目となる併設保育園は、「企業主導型保育園」としても注目されています。

 というのも、ホテルの現地スタッフを採用する際、保育園が併設されていることが応募の動機付けとしてプラスに働き、応募者の増加につながった、らしいんですね。そこで、「ガーデンテラス仙川」でも同様の理由で保育園を併設した、というわけですが、考えてみれば、保育園を併設するメリットは、ホテルよりもサ高住の方が大いにありそうです。ホテルの客と幼児は相入れませんが、サ高住の入居者、すなわち高齢者と幼児との相性は良く、交流することでさまざまな効果が期待できますから。

 実際、私が見た園児たちは、同じく「ガーデンテラス仙川」の1階に併設のデイサービスを訪問した帰りだったようで、園児たちもお爺ちゃんお婆ちゃんと一緒に遊んで楽しそう。もちろん高齢者も園児たちと触れ合うことで癒しになったり、元気をもらったり、良い関係ですよねえ。そのうえ、子供を保育園に預けて働くスタッフにとっても、同じ建物内に保育園があるなんて、こんなありがたいことはないでしょう。まさに一石二鳥、いや、三鳥の「企業主導型保育園」。素晴らしいです。

 また、保育園「ひばりの保育 仙川のいえ」のお隣には、「三鷹東クリニック」(診療科目は内科)、つまり病院も併設。これも入居者にとっては心強いですね。比較的元気な方が入居するサ高住といえども、高齢者ですから医療面の心配をされるのは当然のこと。その点、同施設内、同じ建物内に病院を備えているなんて、これほどの安心材料はないでしょう。

 さらに、先ほど園児たちが訪問した1階のデイサービス。もし、「ガーデンテラス仙川」が介護付き有料老人ホームであれば、たとえ施設内に併設されたデイサービスでも、そこが提供する介護サービスを入居者が受けることはできません。そういう決まりがあるらしいです。ところが、ここはサ高住なので全然OK。併設のデイサービスが提供する介護サービスを必要なだけ、チョイスして受けることができます。これも大きなサ高住の大きな利点です。

 同建物内に保育園と病院とデイサービスを併設し、それぞれが連携し、補完し合い、入居者の安心・安全・利便性、そして活気や癒しに至るまで、過不足なく、適度に、満足いただけるまで提供できる、ほぼ完ぺきといっても過言ではないサ高住。それが、「ガーデンテラス仙川」です。

入居者の憩いの場であり、併設保育園の園児たちの遊び場でもある屋上
2、3階ラウンジ。サ高住では珍しい広めの共有スペース
ラウンジに備え付けの共有キッチン。入居者は自由に使える

「ホテル&レジデンス六本木」の総料理長監修のイベント食や「コムフォー」のフォー

 おっと、話が飛びました。改めて、「ガーデンテラス仙川」の館内に入りましょう。和のテイストを醸すベランダの軒裏の木と調和した木製の玄関扉が開くと、目に飛び込んでくるのは、広々としたエントランスホールの真ん中にドン!と鎮座する、全方向座れる四角い背もたれがないソファ。高級ホテルや美術館なんかによくあるやつですね。その中央に大きな壺に活けられた花が鮮やかなこと。重厚感と落ち着きをもたらす床の濃いめの色は、草木が育つ“土”をイメージしているそうです。

 このエントランスホールの奥に続くロビーには、重要文化財などの歴史的価値の高い修復ができる左官職人として海外からのオファーも多い有名左官職人・久住有生氏による土塀作品が壁面に。土塀オブジェも各所に置かれ、“土のアート”感が漂います。それら土塀作品を見るためだけでも当施設へ足を運ぶ価値はある、と思うほどです。

 こういう空間を、“意匠性が高い”と、言うそうですね。資料ではそう表現していました。勉強になります(笑)。その資料によると、照明はこれまで通りの自社プランではなく、著名なデザイナーに依頼。たとえばエントランスホールやダイニング、2階と3階に配置したキッチン付きのラウンジなどは、天井の間接照明やランダム配置したダウンライトで、床・ソファ・テーブルなどを柔らかく照らし、照度ムラができにくいようコントロールしている、とのこと。

 なるほど、取材時にはそこまでは気がつきませんでしたが、たしかに、全体的に、なんとなく、心落ち着く優雅な雰囲気が漂っていたのは、土塀アートや生け花とともに、照明も一役買っていたんですねえ。

 さらにさらに、当施設では「アロマ」サービスを導入。天然アロマによる香り空間づくりを行っており、季節感を香りで演出するなど、華やかで元気になれる毎日をお届けしています。

 1階には他に厨房を備えたダイニングルームや先述のデイサービス、浴室など(保育園やクリニックの入口は別)。ダイニングルームは、重厚で落ち着いたエントランスホールとは一転、明るく開放的な空間となっています。

 このダイニングルームで供されるのは、栄養士がバランスに配慮して、旬の食材にこだわった美味しいお食事。お身体の状態に応じて、刻み食、ミキサー食、アレルギー対策食などへの変更も承ります。

 というのは、まあ、どこの施設でも多かれ少なかれやっていることですが、ここだけのものとして特筆すべきは、一流レストランなどで修行を積んだ「ホテル&レジデンス六本木」の総料理長がメニューを監修したイベント食や、日本橋高島屋などの出店しているフォー専門店「コムフォー」の米麺(フォー)、でしょう。

 その総料理長の顔と名前もパンフレットに出ていたので紹介しましょう。H&R六本木「ココノマ シーズダイニング」総料理長の菱沼欣也氏です。もちろんグループ内にホテルやレストランを抱えている「シマダグループ」だからこその連携ですね。

 そして「コムフォー」のフォー。これ、取材時に試食させていただきましたので、感想を先に申し上げますと、いや、うまいっす。さっぱりしながらも滋味深く、何杯でも食べられそう。また、食べるほどに体の中からキレイになれそう、な気がします。

 私はベトナムへは行ったことがないので、これは本場の味に近いのか、それとも日本人の口に合わせてアレンジしているのかはわかりませんが、少なくとも、日本のベトナム料理店で食べたことがあるフォーよりは、こちらの方が断然旨い、と思います。

 このフォーがここでは定期的に食べられるのですから、それを目当てに「ガーデンテラス仙川」へ入居されるのも、あり、でしょう。フォーだけ食べてみたい人は、日本橋高島屋をはじめ、現在11店舗を展開している米麺専門店「コムフォー」へどうぞ。

「ホテル&レジデンス六本木」の総料理長監修のイベント食や「コムフォー」のフォー
ちょうどラウンジで美容師さんに髪を切ってもらっていました
「ホテル&レジデンス六本木」の総料理長監修のイベント食や「コムフォー」のフォー
居室(1人部屋)。クローゼット付きなのに広々
「ホテル&レジデンス六本木」の総料理長監修のイベント食や「コムフォー」のフォー
自立の方なら1人で利用できる個浴室

ホテルのような優雅さと我が家のようなくつろぎをもたらす居室空間

 続いて2、2階の居室フロアへ。居室は1人部屋(18・43~23.62㎡)が56室、2人部屋(30。90~35.44㎡)が4室の全60室。1人部屋のうち、3階の2セットはコネクティングルームとして、ドアを外せば続き間となり一体利用ができます。

 プライバシーに配慮した1人部屋は、車椅子に座ったままでも使いやすく設計された洗面化粧台、扉の2面が開口できるため車椅子でも出入りがスムーズなL字型コーナートイレ(消臭機能・温水洗浄機能付)、そしてクローゼットを完備。2人部屋にはこれらに加えてミニキッチンが付いています。緊急コールボタンも大きくて扱いやすいデザインに。快適さと安全性を追求した空間は、ホテルのような優雅さと我が家のようなくつろぎをもたらし、思い思いの時間をゆっくりと過ごせるよう配慮されています。

 各居室の表札には、好きな絵や写真などを飾ることができるピクチャーフレームが。オリジナリティ溢れる表札が並ぶ廊下の壁側の高窓にも、グリーンを配してアクセントに。居室内や館内のあちこちに置かれた観葉植物の数も多く、グリーンインフラは外観だけでなく内装にも行き届いています。

 グリーンといえば、建物の裏にある庭園で、園芸レクリエーションの指導経験が豊富な専門スタッフが講師を務める「園芸セラピー」も行っています。見るだけでなく、セラピーとしてもグリーンを大いに活用している施設です。

 各階のラウンジには共用キッチンを用意。お好きな時間に自由にご利用できます。そのエレガントなラウンジは、理美容室も兼ねていて、取材時も美容師さんに髪を切ってもらっている方がいらっしゃいました。あえて理美容室を設けず、ラウンジの開放的な空間で、広い窓から景色を眺めながら髪を切ってもらう、というのもいいものですね。

 浴室は重介護度対応の機械浴と、1人でも利用できる共用の個浴室を用意。比較的元気な方々向けのサ高住ですが、もし入居中に介護度が高くなって、自分でお風呂に入れなくなったときでも安心です。

 屋上も見せてもらいました。そこは屋外遊技場となっていて、併設保育園の園児たちが遊んでいる姿を、ベンチに腰掛けてゆっくり眺めながら日向ぼっこ。といった気持ちの良い空間。元気な方なら園児と一緒に遊んだり、入居者同士で集まって何かスポーツを楽しんだりもできます。

 この屋上の隅に小屋みたいなものが建っていて、これがあるため、建物は一見、3階建てに見えますが、規制上では4階建て、なんだそうですよ。この辺りは低層住宅エリアということで、色んな規制があるみたいで、ご苦労さまです。でも、低層住宅エリアだから周りに高い建物がないので、屋上からの眺めはいいですよ。天気の良い日は気持ちの良い時間を過ごせそうです。

 ということで、ここで施設長の二宮慎介さんからお話を伺いましょう。
「私たちの強みは、やはりグループ内で幅広く様々な事業を展開していて、連携もとれるというグループ力だと思います。介護や医療サービスでいえば、24時間常駐のスタッフがお部屋へ訪問し、お食事、入浴、排せつ等の身体介護や、お掃除、洗濯、お買い物などの生活支援サービスを行う訪問介護。そして、機能訓練指導員によるリハビリやレクリエーション、季節ごとの行事など、さまざまなアクティビティを行うデイサービス。それらが同じ建物内にあるというのは、ご入居者様にとっての利便性の向上や安心感に大いに寄与していると思います。
 さらに、介護や医療だけでなく、他分野との連携もあります。たとえば、当施設のメインスタッフは、シマダグループが運営する「ホテル&レジデンス六本木」で接客の研修を受けます。私たちは介護のプロであると同時に、おもてなしのプロでなければいけない、という想いから、ホテルのサービスの技術と精神を一人ひとりが身に付けよう、ということですね。
 また、関連会社の「東京トラベルパートナーズ」による介護旅行も実施しています。当施設のスタッフも付き添い、ご入居者様を安心で楽しい旅行にお連れ致します。さらに、同社の介護タクシーも割引料金でご利用いただけます」

 そういえば、食事も「ホテル&レジデンス六本木」や「コムフォー」と連携していましたね。言い忘れましたが、厨房は自社なので、ソフト食やミキサー食などの対応可。ときには刺身やマグロ丼など生ものも出すそうですよ。介護施設で生ものを扱うのは、よほど衛生管理に自信がないとできませんからね。食事も、介護や医療サービスも、すべてにおいて、サ高住の域を超えたサ高住、それが「ガーデンテラス仙川」です。

 では、最後に、施設長から一言。
「ここではご入居者様をしばるルールも規則もほとんどありません。外出も外泊も自由です。ご自宅のように、“悠々自適”に過ごせる施設となっていますので、ぜひ一度、ご見学にお越し下さい」(了)

ホテルのような優雅さと我が家のようなくつろぎをもたらす居室空間
介護が必要な方向けの機械浴
ホテルのような優雅さと我が家のようなくつろぎをもたらす居室空間
米麺専門店「コムフォー」のフォーをここで定期的に食べられる
ホテルのような優雅さと我が家のようなくつろぎをもたらす居室空間
二宮慎介施設長。介護福祉士の資格を持ち、現場経験も豊富

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