頼りになる隣人「横浜エデンの園」
有料老人ホーム「エデンの園」は、医療介護に90年以上の実績がある「社会福祉法人 聖隷福祉事業団」が運営しています。
聖隷福祉事業団は日本最大の社会福祉法人で、昭和5年の事業開始以来、医療・福祉・介護で多くの経験を重ねていて、「ひとりの助けを求める隣人に手を差し伸べられる組織」であることを追求しています。
「隣人愛」を基本理念に掲げる聖隷福祉事業団では、ご入居者にとって、エデンの園の職員は「もっとも頼りになる隣人」であるべきと考えています。
聖隷福祉事業団は本拠地である静岡を中心に1都7県で病院や福祉施設など210施設(2024年4月現在)を展開しています。
職員数は約16,400名(非常勤職員含む)を超えていて、実績ある経営基盤はご入居者の信頼につながっています。
今回取材したのは、「横浜エデンの園」。
富士山や横浜みなとみらいを一望できる高台にたたずんでいます。
インタビューに応じてくれたのは、園長の小久保ゆきさん、ケアサービス課課長の髙橋美穂子さん、入居相談員の渡部久美子さん、入居相談員の井出さくらさんです。
聖隷福祉事業団の想い
─ 先ず、聖隷福祉事業団の歴史や想いを教えてください。
渡部:聖隷福祉事業団はあと6年で100周年を迎えます。
その基本理念はキリスト教の「隣人愛」に根差しています。
けれども入居に際して、「クリスチャンでないといけない」とか「キリスト教に入信しないといけない」ということはありません。
昭和5年に長谷川保が肺結核の方を受け入れる場所をつくったことが、全ての始まりになります。
当時、肺結核は不治の病とされ、家にも病院にも居る場所がなく、患者であるというだけで迫害を受けてしまう病気でした。
一人の結核患者を助けたことから、事業は広がりを見せていきました。
けれどもある時、事業継続が困難な財政状況に陥り、もう明日には閉鎖するところまで追いつめられてしまうことがありました。
すると、その時に天皇陛下からの御下賜金があり、事業を継続することができたのです。
その日は12月25日。
まさにクリスマスのその日だったのです。
「聖隷」とは、イエス・キリストが最後に弟子たちの足を洗った(それは奴隷のする仕事)行為に由来する名前ですが、そのような精神で、仕事に従事するという姿勢は、今も脈々と継がれています。
─ 感動的なお話ですね。
渡部:私たちの使命は、
・いのちと尊厳のために
・利用される人々のために
・地域社会とともに
・未来を築く
・最高のものを
と掲げています。
創立者長谷川保は病院や福祉事業を次々と展開しましたが、最終的に思いを込めた事業は老人ホームの運営でした。
今から51年前のことですが、「老人ホーム=姥捨て山」という時代でした。
けれども、動乱の時代を生きてこられた高齢者が自由で安心した生活を元気なうちから楽しく過ごせる老人ホームをつくり出したのです。
先駆的な発想で運営し始めたのですが、今もチャレンジングな取り組みを続けています。
─ それでは、「横浜エデンの園」の想いをお聞かせください。
小久保さん:「ひとりひとりの笑顔のために」が理念ですが、ご入居者が「ここを選んで良かった」と言ってもらえることが大切だと思っています。
そのためにはご入居者が思い描いたことが実現できるかが重要です。
加齢とともにできなくなったことや諦めてしまったことが増えてしまいますが、「ご入居者が大事にしている」ことに関われるように取り組んでいます。
一例ですが、漢方薬の先生が入居されていて、その方に健康講座をしていただきました。
すると、とても活き活きと話されたのです。
「ご入居者が輝く時間をもうけたい」という想いはスタッフにも浸透していて、ご家族やご入居者から常に情報収集して、フォーカスを当てるようにしているのです。
「横浜エデンの園」の魅力
─ 皆さんが感じておられるこのホームの魅力について教えてください。
小久保さん:三点あると思っています。
一つ目は医療面での安心感です。
直ぐ隣に同法人の「聖隷横浜病院」があり、主治医と密に連携が取れています。
介護を支えるための医療がしっかり機能しています。
最期までここで生活できるように、病院に行かれない状態になられても、主治医がこちらに診に来られます。
髙橋さん:医療がこれだけ身近にあるのは、ご入居者だけではなくスタッフにとっても安心感があります。
スタッフが介護に専念できるのは、とてもありがたい環境ですね。
─ では、二つ目も教えてください。
小久保さん:二つめはICT最先端の技術の導入です。
全居室に見守りシステムを導入しています。
見守りシステムは、ベッドや居室などにセンサーを配置し、ご入居者の動きを介護スタッフに知らせるシステムです。
単に効率化ということではなく、システムのことはシステムに任せ、人でなければできないことにスタッフは注力できるようになっています。
システムはあくまで道具ですので、スタッフがこれをどう活用して、どうご入居者のために役立てられるかを考えて対応でいるようにしているのです。
─ 三つ目もお願いします。
小久保さん:三つ目は介護の本質を追求するということです。
スタッフはご入居者が大事にしていることを実現したいと強い想いを抱いているのです。
どうしたら実現できるか職種間でも連携しながら常に考えているのです。
髙橋さん:スタッフは自分たちが忙しくなっても、「このご入居者は、こうしたら喜ばれるのでは」と次々案が出てきます。
ご入居者には居室担当者を付けていますが、常に相談相手になり、いかに想いを叶えることができるか積極的に考え行動しています。
私はそのような姿を見て、「偉いなあ」とつくづく感心しています。
小久保さん:こじんまりしたホームですので、スピーディーに話し合えて方向性が決められることが良いですね。
このホームでは93%の方がここでお看取りをされますが、普段からいつどうなるかわかりませんので、最善を尽くしていこうとしているのです。
渡部さん:ここのスタッフは本当によくやっているのですが、「自分たちは未だ未だです」と言って、目標を高く見据えて努力しているのですよ。
「横浜エデンの園」が選ばれる理由
─ 入居をここに決められた方たちにはどのような点が決め手になっているのですか。
髙橋さん:医療面での安心感は第一にあげられますね。
病院退院後にこちらに入居される方は生活の場で過ごせることを喜ばれています。
堅苦しいルールはありませんし、広く明るいデイルームやご自分のお部屋で心地良くお過しただけることに満足されています。
小久保さん:面会時間の制限が無いことも気に入られる理由の一つです。
外出に関しても、基本はスタッフ同伴ですが、おひとりでも大丈夫な方は介護タクシーでお出かけされています。
施設でありながら、ご自宅同様に生活できることが喜ばれていますね。
─ 未だありますか。
渡部さん:このホームの雰囲気がお気に召されて入居を決められる方たちも多いです。
ご入居者たちが落ち着いてご生活されているご様子や、スタッフが明るく接している姿をご覧になられ、「ここなら安心して過ごせる」とお思いになるようです。
髙橋さん:アクティビティや行事ごとなどもありますが、それ以外の時間は皆様ご自分が思う通りに過ごされています。
パソコンに興じておられたり、DVD鑑賞をされたり、自由に過ごされています。
─ 「サービス担当者会議」や「想い出カンファレンス」を大切にされているそうですが、そのことを教えてください。
小久保さん:「サービス担当者会議」では、ご入居者、ご家族も交えて、ここでの生活をご入居者の意向を反映して決めていきます。
たとえ本人様の認知機能が低下していたとしても、一緒の場に居ていただき、「あなた様のことをみんなで話し合っているのです」と感じていただくことが重要だと思います。
「想い出カンファレンス」はご入居者がご逝去された後に、ご家族をお招きして、ご入居から最期の日に至るまでのストーリーをパワーポイントにして披露し、ご家族からご感想やご意見などをうかがうようにしています。
スタッフの取り組みがどうだったのかなども忌憚なくご教示いただくようにしています。
なかには「もうこれでエデンの園に来られなくなるのが寂しい」とおっしゃる方も少なからずおられるので、今後は行事やボランティアで参加していただいたり、ホームの運営にも客観的にご意見いただこうと考えています。
「横浜エデンの園」に至るまでの半生
─ では、これまでの人生の道のりについて教えてください。
井出さん:私は隣の「聖隷横浜病院」で、一般事務として働いていました。
その時に医療ソーシャルワーカーの仕事を見て、社会福祉士の資格を取ろうと思ったのです。
資格を取得して福祉の世界に入ったのですが、障がい児童のデイサービスや児童養護施設で働いてきました。
以前から高齢者福祉にも携わりたいと思ってきたので、今年の4月に「横浜エデンの園」で入居相談員として働くようになりました。
施設入居希望のご家族の相談に対応するのですが、老人ホームに対して色々なイメージを抱かれて来られる方が多いですね。
また、病院営業も行いますが、色々な業界の方たちとも話す機会に恵まれ、日々とても勉強になっています。
─ 渡部さんもお聞かせください。
渡部さん:私は元々は事務職をしていましたが、エデンの園に入職して、生活サービス課でコンシェルジュのような仕事をずっとしてきました。
ご入居者の色々なお悩み事の相談に沢山対応してまいりました。
お一人おひとりの人生を背景にどのようなお考えを持たれるのか、興味深いものがありました。
3年前から「横浜エデンの園」で入居相談員として勤務しております。
もちろん、こちらにご入居いただけたら幸いですが、そうでなかったとしても、安心してお暮しいただける場所に落ち着くお手伝いができるように努めております。
─ 髙橋さんもお願いします。
髙橋さん:私は幼い頃から祖父母と同じ敷地内で暮らしてきました。
祖母は長年リウマチを患い寝たきりでしたので、食事介助や車いすを押すことは日常でした。
やがて大学では福祉を学び、高齢者介護の道に進みました。
そこで就職したのが「油壺エデンの園」だったのです。
肌に合ったのか通算29年間そこで勤務しました。
やがて、ケアサービス課の課長となり「横浜エデンの園」に勤務するのですが、やはり介護の現場は面白くやりがいがあります。
沢山の「ありがとう」の言葉を受けてきましたが、若いスタッフにもそのような機会に沢山触れてもらいたいですし、介護の仕事をもっと好きになってもらいたいと願い指導しています。
─ 最期に、小久保さんもお願いします。
小久保さん:私は大学で体育学部を専攻して、その後、障がい者スポーツを学んでいました。
実習で高齢者が多い療養病院に行った際に、レクリエーションで普段動かない人が思わず手を伸ばしている姿を見て、興味を抱き介護の道を選んだのです。
私たちのかかわり方次第では、本人様が「介護された」と思わず「自分でできた」と思ってもらうことができます。
できるだけ、そのような介護を提供しようと努めてきました。
園長になった今は、スタッフに対しても「自分にできることがある」「得意なことを実現できる」と思ってもらえるように、一人ひとりの可能性を引き出すことを心掛けています。
─ 今日はお忙しい中、ありがとうございました。
取材後記:聖書にはエデンの園は豊かな世界と描かれていますが、皆さんのお話をうかがいながら、心が豊かになってくるようでした。
皆さんに見送られながら玄関を出て、思わず「ええでんな」と呟いてしまいました。
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