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2024.04.25
相談員ブログ

作業療法士について

【作業療法士とは】
作業療法士はOccupational therapistと英語で言いますが、略してOTと呼ばれています。
作業療法とは心身に障がいを持つ方に、色々な方法を通じて「作業」を行う療法です。
「作業」とは、食べたり入浴したり、家事や仕事、趣味活動など人が関わるすべての活動のことを指します。
病気や怪我、心の病、認知症など、様々な原因で「作業」が行えなくなった時に、「作業」を通じて治療を行います。
理学療法士は「身体」に障がいがある人に基本的動作の回復や維持をサポートします。
一方、作業療法士は「身体」や「心」に障がいを負った人に、応用的な動作能力や社会的適応能力の回復をサポートしていることに特徴があります。

【主な仕事内容】
具体的に「作業」とは以下のようなことを指しています。

・基本的動作能力
運動、感覚・知覚、心肺や精神、認知機能などの心身機能。

・応用動作能力
食事やトイレ、家事など、日常生活で必要とされる活動。

・社会的適応能力
地域活動への参加、就労、就学、趣味活動など。

基本的な動作の上に、応用的な作業を積み上げていくのが作業療法です。
更に作業療法士はリハビリ専門職の中で唯一、精神に障がいがある人への専門的なアプローチが可能な職種になります。
そのため、精神科の病院やデイケア、認知症の対応をしている介護施設でもその専門性が活かされています。

【対象者】
・脳血管疾患
更衣・食事・トイレ・入浴動作などを介助しながら、患者が自分でできることを増やす援助をします。
訓練可能な上肢を用いて文字を書く動作訓練をしたり、スプーンの形態を替えたり、ボタン・ホックなどの自助具を作成したりします。

・神経内科系疾患(パーキンソン病など)
上肢の伸展運動、ビーズなどを用いた細かな上肢運動、棒体操や手指を使う細かな作業を行ったりして、日常生活動作訓練を行います。
また、生活環境の調整や、便利な道具の紹介なども行います。

・認知症
日常に関する作業を用いて脳を刺激し、症状の進行を抑えます。
心身機能の維持・強化や、幸福感や自尊心の充足を取り戻すことなどにも取り組みます。

・整形外科疾患
機能改善の援助と日常生活関連動作や、仕事・家事における動作訓練や環境設備、自助具の適応なども行います。

・精神疾患
現実的な作業活動(遊びや創作的なものから、日常生活に関連するものまで)を、個別あるいは集団で行い、精神機能・対人関係能力・作業能力などの改善・向上を図ります。

その他、生活に不便を感じている全ての方が、作業療法の対象となります。

【老人ホームでの作業療法士の役割】
・リハビリテーションの提供
入居者の身体能力を維持し、日常生活動作の改善や安全な移動を支援するためのリハビリテーションを提供します。
入居者一人ひとりの機能訓練とともに、生活動作(食事・排泄・着替え・入浴など)のリハビリテーションにもかかわりを持ちます。

・アクティビティの提供
施設内での生活を充実させていくために、入居者の心身の評価や作業分析を行います。
そして、余暇活動(手工芸・園芸・囲碁将棋やゲーム・体操等)の引き出しを多く持っているので、それらを提供します。

・福祉用具の選定 
高齢者の身体機能の変化に合わせて、福祉用具の適切な選定や調整を行います。
車いすや歩行補助具などの使用方法や適切な姿勢の維持方法も指導します。

・居室のレイアウト
高齢者が安全かつ快適に生活できるよう、居室のレイアウトや環境の整備を行います。
転倒予防や日常生活動作の支援に役立つ環境づくりを行います。

・ケアスタッフへの指導
ケアスタッフに対して、介助の方法やリハビリテーションの指導を行います。
入居者のケアにおいてリハビリテーションの要素を取り入れ、入居者とスタッフの負担を軽減することを目指します。

・認知症のリハビリテーション
精神科も専門としている作業療法士は、認知症の方への正しい対応の仕方や、環境設定、認知症訓練のスキルなどを持っているため、実際の介護にも取り入れていきます。

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