老人ホームの基礎知識
行政から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた有料老人ホームです。
特定施設入居者生活介護とは、施設内で介護サービスをパッケージ方式で受けられることを意味します。生活支援サービスから身体的な介護サービスまでを、施設の介護職員が提供しています。
日中は看護師が常駐していることが義務付けられていて、健康管理や服薬管理なども行われます。定期的な健康診断や医師の診断を受けることができます。
さらに、生活相談員や栄養士、機能訓練指導員などのスタッフの配置があり、ハード面でも、居室に加えリビングや食堂などの共有スペースの設置が義務付けられています。
医療処置や認知症ケア、看取りに対応している施設も多いため、終身利用できる施設をお探しの方におすすめです。
食事の提供や掃除、見守りなどの生活支援が中心で、外部の介護サービスを個別に契約する必要があります。ただし、多くの場合、介護サービス事業所が併設ないしは隣接されており、ケアマネジャーが常駐して、生活相談や介護サービスの提供などを施設内で行っています。そのため、実質的に介護付き有料老人ホームと変わらない施設も多いのです。
職員配置も管理者以外の職種に関しては任意になっているので、施設によって提供するサービスが異なることもあります。
どの介護サービスを利用するかは基本的に入居者が自由に決められるのです。以前から使っているデイサービスやケアマネジャーなどを入居後も引き続き利用したい場合は、住宅型有料老人ホームがおすすめです。
健康型有料老人ホームの入居条件の年齢は、おおむね60歳以上としているところが殆どです。
食事などの日常サービスが提供されますが、介護サービスは有りません。
サークル活動やイベントに力を入れている施設もあり、アクティブに過ごしたいという方におすすめの施設です。健康型有料老人ホームの最大の特徴は、設備の充実度です。スポーツジムやプール、温泉などの設備が備えられていいたり、カラオケルームやシアタールームなどの娯楽設備もあり、日々の生活を楽しむための環境が整っています。
ただし、原則として自立した方を受け入れているため、要介護状態になったり日常的に医療ケアが必要となったりする場合は退去しなければいけません。全国的にも数少ない施設です。
市区町村が管轄する地域密着型サービスのため、施設のある自治体に住民票があり、65歳以上で認知症の方が対象となります。そして、要支援2以上に認定された方に入居資格があります。
1ユニット5~9人で共同生活する施設が「認知症対応型共同生活介護」(グループホーム)です。1施設の定員が9名ないし18名(用地確保が困難な一部地域は3ユニット、27名まで)となります。
少人数で家庭的な雰囲気のなかで、認知症状に応じた日常生活のサポートを受けながら、穏やかな生活を送りたい方にはおすすめです。
看護師の配置が義務付けられていないため、医療行為が必要になる場合は退去せざるを得ないこともあります。
「サ高住」あるいは「サ付き」とも呼ばれる高齢者施設で、バリアフリー化された賃貸住宅です。60歳以上か、要支援・要介護認定を受けている60歳未満の単身・夫婦世帯が対象です。
サービス付き高齢者向け住宅では、安否確認と生活相談のサービスが受けられます。自立状態にある方が入居する「一般型」と、要介護認定を受けている方が入所する「介護型」の2種類があります。介護が必要になった場合は外部の介護サービスを利用できますが、要介護度が高くなると住み続けることが難しくなるケースもあります。
シニア向け分譲マンションは、高齢者が快適に暮らせるようにバリアフリーなど施した住居です。
自立状態、もしくは介護度が軽い方向けのマンションで、共用スペースの設置、レクリエーションなどが充実しています。
マンションの敷地内に売店や理髪店、フィットネスジムなどさまざまな設備が充実しているところが多いです。
マンションは購入物件のため売却も可能となっています。
食事の用意や掃除、洗濯などの生活援助、見守り、緊急時の対応などのサービスを提供されます。
ただし、介護を要する場合は外部サービスを利用する必要があるため、要介護度が上がると退去になる場合があります。
一般的に「特養」と呼ばれる特別養護老人ホームの介護保険上での正式名称は、「介護老人福祉施設」です。
利用対象は身体上・精神上に障害があり常時介護が必要、かつ、在宅介護が困難な高齢者です。
基本的には要介護3以上の方しか入居できないのですが、要介護1・2は特例条件がもうけてあり、極まれに入居できる場合もあります。
排泄介助・食事介助・入浴介助など、24時間体制の介護サービスが提供されます。
特別養護老人ホームは、手厚い介護体制を備え、長期利用を前提としているので、終身利用する方が多いです。それらのことに加えて費用も安いために、入居希望者が多く入居までの待機期間も長くなる傾向にあります。
介護老人保健施設は、略して「老健」とも呼ばれていて、基本的に65歳以上で要介護1以上の方を対象とした高齢者施設です。
「看護、医学的管理下における介護および機能訓練 その他必要な医療ならびに日常生活上のケアを行う」施設です。老健は医師が常駐し看護師の配置もあるので、一定の診療や投薬、注射などの医療行為が必要に応じて受けることが可能です。
介護老人保健施設をご利用できる方は、病状が安定していて入院治療の必要がない方で、リハビリテーションを必要とされる方です。
在宅復帰を目的としている方たちのために医療やリハビリテーションに注力している短期入所施設となりますので、原則として利用できる期間は3ヶ月~6か月と定めてあり、終身利用はできません。
2018年の介護保険法改正とともにできた施設です。「日常的な医療ケアなどの医療機能」と「生活施設としての機能」を兼ね備えています。
介護医療院は、医師や看護師などの医療スタッフが常駐する、要介護1以上の方が対象の高齢者施設です。重篤な身体疾患や合併症のある認知症の方が長期療養を行うための施設であり、終末期にも対応する役割があります。
介護医療院にはI型とII型があり、
Ⅰ型:容態が急変するリスクが高い人、身体合併症を有する認知症の高齢者など
Ⅱ型:容態が比較的安定した人
と区分されています。
軽費老人ホームは自立や要支援で、諸事情により家族と同居できず、独居生活の困難な方が、低額料金で入居できる老人ホームです。運営主体は地方公共団体や社会福祉法人です。
軽費老人ホームには3種類あり、いずれも生活援助や生活相談ができます。
A型:食事サービスあり
B型:食事サービスなし、自炊
C型:食事・生活支援サービスあり
C型をケアハウスといいます。現在ではA、B型は減少傾向にあり、今後はケアハウスに一本化する予定となっています。
ケアハウスには一般型と介護型があります。
一般型:介護サービスなし、外部と契約が必要
介護型:介護サービスあり
近年介護型の増加傾向が見られますが、施設によっては介護度が進んだ入居者は退去しなければならない場合もあります。
養護老人ホームとは、生活することが困難で、経済的にも困窮している65歳以上の高齢者が対象者で、市区町村長に認められていることが入居条件となります。その際、介護の必要がなく、病気などもなくサポートさえあれば自立した生活が送れることが入居基準の一つとなります。
住む場所が無く、生活に困っている高齢者を一時的に受け入れている社会的安全網の役割を担っているので、介護サービスや長期的な利用などは基本的に無い施設となります。利用者が社会復帰するための施設なので、介護のための施設ではないことを理解しておきましょう。
基礎知識一覧
民間老人ホームの選び方一覧
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