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2023.08.25
相談員ブログ

男女別要介護状態になった主な原因

※引用: 令和元年版高齢社会白書「65歳以上の要介護者等の性別にみた介護が必要となった主な原因」

【要介護認定を受けた理由が男女と順位付けが異なる】
要介護になった理由として1位は認知症(18.1%)2位脳血管疾患(15%)3位高齢による衰弱(13.3%)、4位骨折・転倒(13%)、5位関節疾患(11%)となっています。
ですが、男女によって介護になった要因の順位付けが大きく異なっていることがわかります。
男性:1位脳血管疾患(24.5%)、2位認知症(14.4%)、3位高齢による衰弱(11.3%)4位心疾患(6.3%、5位骨折・転倒(5.8%)
女性:1位認知症(19.9%)、2位骨折・転倒(16.5%)、3位高齢による衰弱(14.3%)、4位関節疾患(14.2%)、5位脳血管疾患(10.3%)

要介護になる原因の中で、命にかかわる危険性が高く救急対応になる疾患というのは、脳血管疾患と心疾患です。
上の表によると、男性は脳血管疾患が24.5%、心疾患が6.3%ですが、それに比較して女性の割合としては脳血管疾患が10.3%、心疾患が3.9%と男性の約半数となります。
男性は、「突然、ある日を境に要介護状態になってしまった」という方の割合が多いのです。ですがその反面、女性が要介護になる原因の順位は、1位認知症、2位骨折・転倒、3位高齢による衰弱、4位関節疾患が続き、「命に係わる危機に陥ってはいないが、じわじわと要介護状態になってしまった」という方が多いようです。

【男女別、要介護状態になった要因の掘り下げ】
では、男性特有の要因について見てみます。
・脳血管疾患(脳卒中)は、脳血管が詰まったり破れたりして起こる病気の総称です。
原因として考えられるのは生活習慣病ですが、危険因子として喫煙・運動不足・睡眠不足などがあげられます。
・心疾患の主な原因は動脈硬化です。危険因子として高血圧・脂質異常症・肥満・ストレス・喫煙・糖尿病があげられます。
次に女性特有の要因についてみてみましょう。
・骨折・転倒は女性が16.5%なのに対して、男性は5.8%と3倍近くの開きがあります。これは女性に骨粗しょう症の方が多く、転倒によって骨折することが考えられます。
女性は骨格が小さめで筋力も弱めなこともあり、更に妊娠や授乳期にカルシウムを大量に必要とする時期があります。そして、加齢とともにカルシウムの吸収を助けるビタミンDをつくる働きが弱くなるのです。
・関節性疾患は女性が14.2%なのに対し、男性が4.6%とこれまた3倍以上の差があります。特に関節リュウマチは女性ホルモンの作用が大きく、患者の7~8割が女性ということもあります。
女性ホルモンは自己抗体の働きや、免疫反応を促すサイトカインを活性化させやすいと考えられています。特に出産後や更年期を経て自己免疫疾患を起こしやすくなります。


【男女別にに見た介護予防について】
男女問わず大切なことは、運動してバランスの取れた栄養を摂取して介護予防していくことが大切です。
そのうえで、男女別に配慮すべき傾向を考えてみました。
男性の場合に予防として必要なことは、
・生活習慣病への対策をする。体重の管理や食事の見直し(塩分やコレステロールの摂取を制限する)を行う。喫煙や飲酒を控え、運動習慣をつける。
・基礎疾患の治療をしっかり行う(高血圧、糖尿病、不整脈など)。
女性の場合に予防として必要なことは、
・カルシウム摂取とビタミンDを合成するために必要な日光浴やそのための外出散歩の時間を増やす。
・運動やリハビリ、を増やすことで、筋力低下を防ぐ
・室内での転倒リスクを避けるためにバリアフリー化することや、躓きを防止するための家具家電など配置を見直す。

一概に介護状態になると言っても性差はありますので、予防するために傾向と対策を見極めることが肝要ですね。

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