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2023.09.26
相談員ブログ

耳が遠いのに、自分の噂話が聞こえる高齢者がいるのは何故?

【聞こえているの?聞こえていないの?】
高齢者と接している時に、
・本人の都合の悪いことは、聞こえない(聞こえないふりをしている?)
・優しく語りかけているのに、気づかれない(無視される?)
・噂話や陰口を聞こえないようにボソボソと文句言っていると、なぜか反応してくる(聞こえている?)
という経験をしたことがある人は、少なくないのではないでしょうか。
「普段は耳が遠いふりをしていて実は聞こえているのかっ!」と、戸惑ってしまう介護者もおられることでしょう。
また、地獄耳という言葉があり、人間が生きている間に行った言動は閻魔様には全く筒抜けで、全ての情報が伝わっているそうですが、高齢者になるとその境地が開けてくるのかと脅威に思う人も中にはいるかもしれません。
これはいわゆる「加齢性難聴」が原因です。

【加齢性難聴について】
加齢性難聴の特徴は、
・聴力の低下は高音域から発生し、中音域(一般的な会話の音域)、低音域へと進行していく。
・両耳ともに聴力が低下していく。
・加齢とともに悪化が進行する。
・小さい音は聞こえにくいが、大きな音には敏感になる。
・男女差があり、男性の方が多い傾向にある。70代になると男性は5人に1人、女性は10人に1人。理由としては仕事場で騒音にさらされてきたことや、生活様式(栄養、喫煙、運動など)が原因としてあげられる。
・本来の音が脳に正しく伝わらず、「音」としては聞こえているが、「言葉」として聞き取りにくくなっている。
・自分では難聴だと気づきにくく、耳鳴りだけを感じているという場合が少なくない。
・サ行・カ行・タ行・パ行の聞き違えが多くなる。
・早口や雑音がある環境だと聞こえにくい。
・自覚症状を感じた段階では重症化していることもある。
ということがあげられます。

【加齢性難聴の仕組み】
加齢性難聴の仕組みですが、人間は耳の中にある「蝸牛(かぎゅう)」という器官で音を感知しています。そして、蝸牛を構成する有毛細胞の毛が振動することで音を認識します。
ところが、老化のために有毛細胞が抜け落ち、聞こえが悪くなるのです。
蝸牛の入り口付近の有毛細胞が高い音を捉えますが、有毛細胞は入り口付近から抜け落ちていくので、高齢になると高い音が聞こえづらくなるのです。
相手に聞こえないように、噂話や悪口は声を潜めて低い声で話すことが多いですが、逆に低音の方が高齢者には聞き取りやすくなっているのです。
また、何かを伝えようとするときにテンションを高めて、高い声で語りかけてしまって、これまた逆に聞こえづらいという場合があるようです。

【加齢性難聴の方との接し方】
加齢性難聴の方との接し方をまとめます。
・話し掛ける合図をしましょう
難聴の方は急に話しかけられても反応できないことがあります。相手の視界に入ったり、体に少し触れたりしてサインを出してから話しかけましょう。
・大きく口を動かしましょう
口を大きく動かすことで、自ずとゆっくりした口調になります。また、一センテンス一単語をはっきり口にするので、聞き取りにくい言葉も伝わりやすくなります。
・意識して少し大きめ、低めの声で話しましょう
あまり大きな声だと相手が驚いたり警戒してしまいます。明確な言葉で、聞き取りやすい低音で話しましょう。
しかし、何よりも、心でイラっと思うことがあっても、本人がいる場所で口に出さないことが肝心ですよね。
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