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2023.11.08
相談員ブログ

糖尿病の名称変更について

【ダイアベティスへ名称変更】
日本糖尿病学会と日本糖尿病協会は2023年9月22日に、糖尿病の通称の候補として英語名「ダイアベティス」と変更するように提案をしました。
1~2年かけて広く意見を募り、採用されれば「ダイアベティス(糖尿病)」と新旧の呼称を併用することが検討されています。
糖尿病は患者の尿に糖が混入することから名付けられましたが、日本糖尿病協会は尿に糖が出ない患者もいるので、その名が実態を表していないことや、「尿」という言葉から不潔な印象を与えるいう理由で、名称変更を求める方針になりました。
患者の9割が病名に何らかの抵抗感や不快感を抱き、変更を希望している人が8割に上っていたと言います。

【糖尿病とは】
ご飯やパンなどの炭水化物を食べると胃や小腸で吸収され、ブドウ糖となって血液中に入ります。
糖尿病とはインスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という血糖が増えてしまう病気です。
インスリンはすい臓で作られるホルモンです。食事によって血液中のブドウ糖が増加するとインスリンが分泌され、その働きでブドウ糖はエネルギーとして利用され、血糖を一定範囲に収めているのです。
血糖値が高いまま過ごしていると、血管が傷つき、三大合併症を引き起こしかねません。
Ⅰ糖尿病神経障害
四肢のしびれや疼痛、、麻痺などが起こります。進行すると、起立性低血圧や不整脈による突然死の可能性があります。
Ⅱ糖尿病網膜症
網膜の血管に障害が起き、視力障害が起こります。進行すると失明することもあります。
Ⅲ糖尿病腎症
腎臓の働きが低下して、疲れやむくみ、貧血があらわれます。進行して腎不全になると人工透析が必要になります。

糖尿病は4種類に分類されます。
・1型糖尿病
すい臓でインスリンが殆ど作られないために、治療にはインスリン注射が欠かせません。
若年発症であったり、やせ型、急激に症状が現れるなどの特徴があります。
・2型糖尿病
中高年に多く、生活習慣や体質に起因することが見られます。食事療法や運動療法を基本に、必要に応じて薬物療法が行われます。
・妊娠糖尿病
妊娠中にはじめて発見された、あるいは発症した糖代謝の異常。
・その他の糖尿病
すい臓の働きやインスリンの作用に関係する遺伝子異常に基づくものや、その他の疾患(すい臓、肝疾患、感染症など)によって引き起こされます。

【糖尿病への誤認】
日本糖尿病協会の意見として、糖尿病に対する誤った認識が偏見を助長し、差別を生んでいると指摘しています。
糖尿病という名称から「怠けた生活をしている」とか、「食生活が乱れている」というイメージで見られる傾向があるようです。
そのため、職場や家族に糖尿病のことを話さず、医師の診断を避ける人もいると言われています。
極端な例として、生命保険に加入できない、住宅ローンを組めない、結婚の障害となる、就職が不利になるなどということも起こっているそうです。

【名称変更とともに偏見の見直しを】
厚生労働省の「令和元年国民健康・栄養踏査」によれば、糖尿病は日本人の5~6人に1人が罹患している、いわゆる国民病です。
日本人は欧米人に比べるとインスリンを分泌する能力が約半分で、そのため軽度の肥満でもインスリンの必要量の増加に対応できずに糖尿病になってしまうことがあります。
一方、欧米人がかなり太っていても糖尿病にならないのは、インスリンの分泌能力が高く、大量の糖を速やかに貯蔵できる遺伝的体質を持っているからなのです。
糖尿病が疑われている人の4割近くは治療を受けていないと見られています。
それは、糖尿病と診断された人のほとんどが無症状ということもあります。
症状が現れた時にはかなり進行していて、合併症を起こしているケースも多くあります。
「まだ大丈夫」と思わずに積極的に治療に向き合うことが大切です。






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