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2023.11.24
相談員ブログ

ブルンストローム・ステージについて

【ブルンストローム・ステージ(Brs)とは】
「父は今リハビリ中なのですが、腕を頭まで上げることができるようになって、『何とか』ステージの5と言われましてね」
「『ブルンストローム』・ステージですね。回復されてきているのですね」
脳卒中で入院され、退院後に老人ホームを検討されている方のご家族との会話の一場面です。

ブルンストローム・ステージとは、スウェーデンの理学療法士ブルンストローム氏によって考案された評価法で、脳血管障害者の運動麻痺評価法として広く普及しています。
ブルンストローム・ステージでは、運動麻痺から回復に至る下記の6つのステージに分類されます。
ステージⅠ 随意運動なし
脳血管障害で運動麻痺がおこり、筋肉は機能しなくなります。
意図的に筋肉を収縮できない状態です。
自分の意思で動かす動作のことを随意運動と言います。
ステージⅡ 連合反応
意図的もしくは反射的な筋収縮が出てきます。
身体の一部を動かすと、他の部位まで動いてしまうことを連合運動と言います。
ステージⅢ 共同運動
自分の意思で大きな運動ができますが、実用性がありません。
手や足を曲げようとすると、手や足の全体が曲がったり、手や足を伸ばそうとすると、手や足の全体が伸びることを共同運動と言います。
ステージⅣ 分離運動の出現
関節ごとにに独立した動きができるようになります。
ステージⅤ 分離運動の範囲拡大
動作の実用性が増え、装具類を用い自立した生活が可能になります。
ステージⅥ 意図的に分離運動を行う
正常に近い運動レベルに達しています。
ただ、機敏さや器用さにおいて以前のレベルではありません。

ブルンストローム・ステージの評価は、上肢・下肢・手指に分類されます。

【上肢(腕)】
ステージⅠ
自分の意思によっても、反射的にも、運動や筋収縮は見られません。
ステージⅡ
意図的もしくは反射的な筋収縮がわずかに出てきます。
ステージⅢ
自分の意思で腕の上げ下ろしができますが、完全に伸ばした状態での上げ下ろしができません。
ステージⅣ
手を腰の後ろに回せすことができます。
肘を伸ばしながら腕を前方に水平に挙げることができます。
肘を90度に曲げた状態で前腕をねじることができます。
ステージⅤ
腕を左右水平に挙げられます。
腕を頭の上まで挙げられます。
肘を伸ばしたまま腕を水平に挙げ、かつ前腕をねじることができます。
ステージⅥ
関節ごとの運動が自分の意思で可能になります。正常に近い動きができます。

【下肢(脚)】
ステージⅠ
自分の意思によっても、反射的にも、運動や筋収縮は見られません。
ステージⅡ
意図的もしくは反射的な筋収縮がわずかに出てきます。
ステージⅢ
座位、立位での股・膝・足の同時屈曲ができるようになります。
ステージⅣ
座位で膝を伸ばせます。
座位で膝を曲げた状態で、足を後ろに引けます。
座位で踵を床から離さずにつま先を上げられます。
ステージⅤ
立位で股関節を伸ばした状態で膝を曲げることができます。
立位で脚を前方に出しつつ、踵を床に付けた状態でつま先を挙げることができます。
座位で股関節を内旋できます。
ステージⅥ
立位で骨盤を上げずに股関節を外転できます。
座位で膝の動きだけで、つま先を左右に振れます。

【手指】
ステージⅠ
自分の意思によっても、反射的にも、運動や筋収縮は見られません。
ステージⅡ
自分の意思でわずかに手指が曲げられます。
ステージⅢ
自分の意思で全指の同時屈曲(握りこぶし)が可能ですが、伸ばす方向は自分の意思では動かせません。
ステージⅣ
握りこぶしの状態から、親指を離すことができるか、あるいは少し手を開くことができます。
ステージⅤ
親指と小指を使うつまみや、棒握りが可能になります。ただし、動きは不器用で一定していません。
ステージⅥ
全ての握り動作ができるようになり、全ての可動域の手指の伸展や、全ての指の分離運動が可能になります。





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