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2023.11.29
相談員ブログ

脊髄小脳変性症と多系統萎縮症

【脊椎症脳変性症の分類の一つの多系統萎縮症】
脊椎小脳変性症(SCD)と多系統萎縮症(MSA)は進行性の神経難病に指定されています。
小脳はスムーズに運動できるように知覚と調整したり、身体のバランスを保つために機能しています。
その小脳に障害が生じると、歩行時にふらついたり、細かい運動ができなくなったり、ろれつの回らない喋り方になります。これを運動失調と言います。
脊髄小脳変性症は一つの病気ではなく、小脳、脳幹、脊髄などの神経組織が変性して(異常をきたして)運動失調をおこす病気の総称です。
脊椎小脳変性症には、「遺伝性」と「非遺伝性」があり、非遺伝性は、「皮質性小脳萎縮症」と「多系統萎縮症」に分けられます。

【脊髄小脳変性症とは】
脊椎小脳変性症では運動失調がゆっくり進行します。
麻痺とは異なり、体を動かせますが、上手く動かせないことが多いのです。
発症年齢により、症状が異なることもあります。
病気が進むと一部では呼吸や血圧の調節など自律神経機能の障害や、末梢神経障害による痺れを生じることがあります。
症状が進行してもコミュニケーションは可能ですし、極端な認知症状は伴いませんが、最終的には自ら座っていることが不可能になり、寝たきり状態になります。

【多系統萎縮症とは】
多系統萎縮症は、脊髄小脳変性症の中に分類されますが、「難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)」では別々に難病指定されています。
神経系の複数の系統に障害が起こる疾患で、3つのタイプがあります。
・小脳失調型
小脳や脳幹が委縮し、歩行時のふらつきや、ろれつが回らなくなったり、思うように動けなくなります。
・大脳基底核型
大脳基底核型が犯され、パーキンソン病と同様な動作緩慢や、転倒しやすくなったり、筋肉のこわばりが起こります。
・自律神経型
自律神経に障害が生じ発汗障害・起立性低血圧・排尿障害・呼吸や嚥下障害が起こります。

症状の進行は早めで、やがてどのタイプも他のタイプの症状を合併して、多系統の障害になって行きます。

【治療やリハビリについて】
病気の進行具合は人によって異なり、同じ病型であっても予後は同じではありません。
治療はそれぞれの症状を緩和するための対症療法が行われます。
薬剤治療は運動失調の進行を遅らせたり、現状維持を保つためのもので、早い段階から始めることを勧められます。
リハビリテーションに関しては、筋力低下の防止が目的です。
筋肉量があれば転倒防止や、寝たきりになる可能性を減らすことができます。
早期にリハビリテーションを開始することで症状が緩和され、身体機能の低下を防ぎ、今までの生活を続けられるようにすることが期待できます。
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