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2023.11.30
相談員ブログ

高次脳機能障害について

【高次脳機能障害とは】
高次脳機能とは言語・行為・知覚・認知・記憶・注意・判断・情動など、大脳で営まれる様々な機能のことです。
脳が何らかの損傷を受けると、様々な障害が現れますがそれを高次脳機能障害と言います。
問題は外側からは異常がわかりにくく、本人も「以前と違って、何か変だな」と思いつつも、高次脳機能障害だと気づかないまま見過ごしにしてしまうので、「見えない障害」と呼ばれています。

【高次脳機能障害の原因】
高次脳機能障害は様々なことが原因になって起こります。
[脳卒中]脳の血管が詰まったり、破れて、その部分が機能しなくなる病気です。
・脳梗塞
・脳出血
・クモ膜下出血
[脳挫傷]交通事故や、転落して、頭を強打して脳に損傷を受けることです。
・硬膜外血種
・硬膜下血腫
・脳挫傷
・脳出血
[その他]感染症や脳内の炎症、心停止などが原因となります。
・脳炎
・低酸素性脳症
・ビタミンB欠乏症
・脳腫傷

【高次脳機能障害の種類】
[脳疲労]
疲れやすく、ミスしたり、イライラします。
[病識の低下]
自分の障害について認識していない状態。
[記憶障害]
新しいことを覚えたり、必要なことを思い出せません。
[注意障害]
集中したり、複数のことを同時にしたり、物事を切り替えることができません。
[社会的行動障害]
行動や感情をコントロールできず、イライラしたり、我慢できなかったり、意欲がわかなかったりします。
[遂行機能障害]
段取りしたり、状況に応じて行動を計画して、実行することができません。
[失認症]
視力張力、感覚に問題ないが、知っているものを見聞きしたり触っても、それが何かわかりません。
[半側空間無視]
視力に問題がないのに、目の前の空間の半分が認識できなくなります。
[半側身体失認]
麻痺している体を無視してしまいます。
[地誌的障害]
地理や場所、方角などがわからなくなります。
[失行症]
手足は動かせるのに、目的に合った動作ができません。
[失語症]
聴く、話す、読む、書く、理解することができなくなります。

【それぞれの症状への対応】
[脳疲労]
・その人の疲れのサインを知り、休憩を促します。
・自分でも自覚しにくいことを周りが知っておきましょう。
[病識の低下]
・対処方法促します。
・手伝い過ぎず、適度に自分で対応してもらいましょう。
[記憶障害]
・一度にたくさんのことを伝えないようにします。
・書いて伝えましょう。
・よく使うものは、目印をつけ同じ場所に置くようにします。
[注意障害]
・集中できる環境をつくりましょう。
・同時に複数のことを伝えないようにしましょう。
[社会的行動障害]
・場所や話題を変えて、本人が落ち着くのを待りましょう。
・周囲が理解を示し、責めないようにしましょう。
[遂行機能障害]
・メモをつけ、確認しながら作業を行いましょう。
・急に変更したり、急に新しい指示をしないようにしましょう。
・時間がかかることは何回かに分けて行うようにします。
[失認症]
・障害がない他の感覚を使いましょう。
・食事の際、何がどこにあるかを伝えます。
・人の顔が認識できない時は、名前を伝えます。
[半側空間無視]
・認識ができる側から声をかけましょう。
・生活する空間で、無視側に意識が向くように促します。
・食事では食べ残しがないか、見渡すようにしましょう。
[半側身体失認]
・両手を使う動作を促しましょう。
[地誌的障害]
・家の中に目印を付けましょう。
・目的地までの順路図を持ち歩くようにしましょう。
・連絡先など書いたカードを携帯します。
[失行症]
・手順を絵に描いたメモを見ながら動作を行いましょう。
・洋服の裏表がわかるように目印を付けましょう。
[失語症]
・ゆっくり短文で話しかけましょう。
・ジェスチャー、イラスト、実物を使って伝えましょう。
・はい/いいえで答えられる質問で話すようにしましょう。
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