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2026.06.05
相談員ブログ

座りすぎは寿命に影響する?高齢者にも広がる「座りすぎ」の健康リスク

【「運動しているから大丈夫」とは限らない】
健康のために散歩をしている高齢者は少なくありません。
毎日30分ほど歩いているので運動不足ではない、と考えている人も多いでしょう。しかし近年の研究では、運動習慣があっても「座っている時間が長いこと」自体が健康リスクと関係する可能性が指摘されています。
つまり、「運動不足」と「座りすぎ」は似ているようで別の問題なのです。
近年では、「座位行動」という言葉も使われるようになりました、これは、座る、寝転ぶなど、ほとんどエネルギーを消費しない状態を指します。
健康のために運動することはもちろん大切ですが、それとは別に「長時間座り続けないこと」も重要だと考えられるようになっています。

【日本人は世界でも座る時間が長い】
実は日本人は、世界の中でも特に座っている時間が長いことが分かっています。シドニー大学などが行った世界20カ国を対象とした国際共同研究によると、日本人が平日に座っている時間は1日平均約7時間であり、調査された国の中でも最も長いという結果が報告されています。
現代の生活を振り返ると、仕事でパソコンを使い、通勤では電車や車に乗り、自宅ではスマートフォンやテレビを見るなど、起きている時間の多くを椅子やソファーの上で過ごしている人も珍しくありません。
特に高齢になると、退職によって活動量が減ったり、体力の低下から外出の機会が少なくなったりすることで、さらに座位時間が長くなりがちです。
本人にその自覚がなくても、一日の大半を座って過ごしているケースは少なくありません。

【座りすぎは寿命にも影響する?】
厚生労働省や世界保健機関(WHO)は、長時間の座位行動を健康上の課題として取り上げています。
多くの研究では、座っている時間が長い人ほど、心臓病や脳卒中、2型糖尿病などのリスクが高く、脂肪率とも関連があることが報告されています。
なぜ単に座っているだけで、そのような影響が出るのでしょうか。
長時間の不活動は血流や代謝の低下を招くことが分かっており、体にさまざまな影響を及ぼすと考えられています。

【足の筋肉は「第二の心臓」】
長時間座り続けると、特に下半身の筋肉がほとんど使われなくなります。
ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ、筋肉の収縮によって血液を心臓へ押し戻すポンプの役割を担っています。ところが、座ったままの状態が続くと、この働きが十分に発揮されにくくなります。
さらに、下半身の大きな筋肉が動かないことで、血液中の糖や脂肪を消費する効率(代謝)も低下すると考えられています。その結果、
・肥満になりやすい
・糖尿病のリスクが高まる
・高血圧になりやすい
・動脈硬化が進みやすい
といった変化につながる可能性があります。
座りすぎは単なる「運動不足」とは異なり、体のさまざまな機能に影響を及ぼす生活習慣の一つです。

【高齢者ではフレイルとの関係も】
高齢者の場合、座りすぎは生活習慣病だけの問題ではありません。
活動量が少ない状態が続くと、筋力や体力の低下が進みやすいと考えられています。こうした状態は「フレイル」と呼ばれ、健康な状態と要介護状態の中間段階とされています。
さらに、
・歩くのが面倒になる
・外出しなくなる
・人との交流が減る
・ますます動かなくなる
という悪循環に陥ることもあります。
最近では座位時間の長さと認知機能低下との関連を調べる研究も増えています。認知症との因果関係はまだ十分に解明されていませんが、身体活動を維持することは脳の健康にとっても重要だと考えられています。

【大切なのは「座り続けないこと」】
では、どのような対策をすれば良いのでしょうか。
特別な運動だけでなく、日常生活の中で座る時間を減らすことが大切です。
目安として30分に一度、せめて1時間に一度は立ち上がり、少し体を動かすことが勧められています。
たとえば、
・飲み物を取りに行く
・軽くストレッチをする
・室内を歩く
・電話を立ってかける
といった程度でも構いません。
高齢者の場合は、散歩や体操に加えて、家事や買い物、庭仕事などの日常活動も大切な運動になります。
「運動をする時間」をつくることに加え、「座っている時間を減らす」という視点を持つことが重要です。

【まとめ】
近年、「座りすぎ」は新たな健康リスクとして注目されています。
長時間座る習慣は、生活習慣だけでなく、筋力低下やフレイル、さらには要介護状態にも関係する可能性があります。
特に高齢者では、座る時間が長くなるほど活動量が減り、心身の衰えにつながりやすくなります。
健康のために運動も大切ですが、それと同じくらい「座り続けないこと」も意識したいポイントです。
毎日の生活の中で少し立つ、少し歩く、その積み重ねが、将来の健康や自立した生活を支える一歩になるかもしれません。
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