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2023.11.16
相談員ブログ

老人性円背について

【円背とは】
「そんなに猫背でいると、将来円背になってしまうよ」
背中を丸めてスマホをずっとのぞき込んでいた私に、知人が注意してくれました。
直ぐに円背の高齢者の姿が頭に浮かび、背筋をピンと正したのでした。

猫背は骨盤が後ろに傾いて、脊柱が丸まった状態です。
ですので、猫背状態を維持していると高齢になって、老人性円背になってしまうことがあります。
円背は脊柱が前に倒れた状態ですが、頭部は視界を保つために顎が上がり、バランスを取るために膝が曲がった体勢になります。
筋肉に負担がかかる姿勢を続けることで曲がり具合が強くなり、円背が更に進行することもあります。
骨密度の減少が男性よりも女性が多いために、女性の方に多く老人性円背が見られています。

【円背になる原因】
老人性円背になるのは、加齢に伴う筋力の低下や、椎間板が変形したり、骨密度の低下により骨がもろくなることが原因です。
また、尻もちをついたりして起こる胸腰椎圧迫骨折も原因になっています。
脊椎の軟骨が老化により乾燥し、周囲の筋肉が固まったり、骨粗鬆症によりもろくなった部位に圧力がかかり、圧迫骨折を起こします。
痛みをあまり感じることもなく、骨折した実感がないまま、骨折が繰り返されることでだんだんと背中が丸くなっていくのです。

【円背による日常生活の支障】
・転倒しやすくなる
上半身の重心が変化して、頭部が前傾となるため、バランスを崩しやすくなります。
・視野が狭くなる
顔が下向きになるため、障害物に気づきにくくなります。
・呼吸が困難になる
背骨をそらしづらくなることで、酸素が十分に取り込めなくなり、呼吸困難となります。
・仰向けで寝られなくなる
背骨が湾曲しているので仰向けになることが困難になり、寝返りも難しくなります。
・圧迫骨折しやすくなる
背骨が前に倒れているので、重みによって圧迫骨折に繋がりやすくなります。
・誤嚥リスクが高くなる
顎が上がった状態なので、気道が広がってしまい、誤嚥をしやすい状態になっています。

【予防や対応について】
・カルシウムの摂取
骨を丈夫にすることで圧迫骨折の予防になります。
・適度な運動
脊柱を支持する姿勢保持筋を動かす体操が有効です。
・日光を浴びる
日光を浴びるとカルシウムの吸収を助けるビタミンDがつくられるので、日中の散歩はおすすめです。
・器具の利用
コルセットやサポーターを活用し、楽な姿勢で座れる椅子を導入しましょう。
・住環境の整備
視野が狭くなっているので、上部への注意が疎かになっています。
障害になるものは取り除きましょう。
・正しい姿勢の保持
骨盤を立てると背筋が伸びますし、椅子に座る際も深く腰掛けて、背もたれに背中を付けることで、背筋が伸びます。




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