2024.02.07
相談員ブログ
尿路感染症について
【尿路感染症とは】尿は2つの腎臓でつくられ、腎盂という場所に集められます。
そして、尿管を下って膀胱に溜まり、尿道から体の外に排出されます。この尿の通り道を尿路と言います。
この尿の出口から侵入してくるのが、腸内にいる大腸菌などの細菌たちです。
通常であると尿をすることで細菌は体外に排出されますが、免疫力が落ちていたり、尿が上手く出せない、あるいは我慢していたりすることで、繁殖してしまうことがあります。
細菌が入った場所により、腎盂腎炎、膀胱炎、尿道炎と分類されます。
【尿道炎とは】
男性に多く見られますが、まれに女性も罹患します。
そのほとんどが性感染症(STD)と言われ、性行為の際に菌が尿道に入り感染します。
菌はクラジミアが多く、次いで淋菌による感染がほとんどです。
主な症状として、排尿痛、尿道の違和感、尿道から膿が出ることがありますが、感染していても症状が出ない場合もあります。
治療は抗生物質の内服となります。
【膀胱炎とは】
尿道から侵入した大腸菌や腸球菌が膀胱に感染して炎症を起こします。
女性は男性に比べ尿道が短いので、菌が膀胱まで入りやすいため、女性に多い病気です。
症状としては頻尿、排尿痛、尿の混濁、残尿感、血尿などがあります。
抗菌薬でほとんど改善されますが、症状が軽い場合は水分を多くとり排尿を増やして治癒する場合もあります。
再発しやすいので、日ごろから水分を多くとり、尿を沢山出すように心がけることが大切です。
【腎盂腎炎とは】
腎盂及び腎臓に菌が入り、熱と腫れが生じ、横腹や腰に痛みが出ます。
悪寒、吐き気、嘔吐などもあり、炎症が強いと尿に血が混じることもあります。
高熱を出したり、毒素が全身に回ってしまい倒れてしまうこともありますし、敗血症の原因になります。
高熱が数日続くので体力の消耗が著しく、入院が必要になることもあります。
自覚症状がないまま長時間経過して、腎機能の低下を招くこともあるので注意が必要です。
治療は抗菌薬の服用で、軽症なら1~2週間で改善します。