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2024.06.03
相談員ブログ

ALS(筋委縮性側索硬化症)について

【ALSとは】
ALS(Amyotrophic Lateral Sclerosis)は、筋萎縮性側索硬化症のことを指します。
人間の身体は脳や脊髄に存在する神経系(上位・下位運動ニューロン)からの指示で筋肉を動かしています。
しかし、ALSになると、脳からの指示を筋肉に伝える神経線維が障害を受け、脳の指示がそれぞれの部位へ伝わらなくなってしまうのです。
そのために、自分で筋肉を動かすことができなくなり、最終的には生きるのに必要な最低限度の筋肉でさえ動かせなくなってしまいます。
この疾患は自分が意識して筋肉を動かす随意運動に対して障害が起きますが、心臓や胃腸など自分で意識しなくても動く不随意運動には影響がありません。体の感覚、視力や聴力も保たれているのです。
ただし、肺については随意運動と不随意運動の両方を兼ね合わせているため、ALSが進行すると呼吸困難になってしまいます。
1年間でALSにかかる人口は10万人あたり平均2.2人で、令和2年度の特定医療費受給者証所持者数によると10,514人の患者数が確認されています。
最もかかりやすい年齢は60~70代です。
ALSは病態の進行が早く、人工呼吸器を使わなければ、2~5年で亡くなることが多いのです。
現在、発症の原因については不明で、治療についても完治する術はありません。

【ALSの症状】
症状は個人差が大きいのですが、以下のような症状が初期に現れてきます。
・細かい作業がしづらくなる
・何もないところでつまずく
・今まで持てた物が重く感じられる
・飲み込みがしにくくなったり、話しづらくなる

更に進行していくと、以下のような症状が現れてきます。
・上肢や下肢の筋肉の萎縮
・顔、舌、喉の筋肉の萎縮
・呼吸筋の障害
症状が進むと、口から食事を摂取することや話すことができなくなります。
また自力での呼吸が不可能となり、目を動かす筋肉を除き、全身の筋肉に力が入らなくなります。
そのために、経管栄養や人工呼吸器などを利用することになります。
筋肉に力が入らなくなっても、はっきりものを考えることができますが、身体状況が感情に影響を与えて、感情の起伏が激しくなることもあります。

【ALSの重症度分類】
ALSの重症度分類では、5つの段階で評価します。
数字が大きいほど重症度が増し、2以上の場合は「特定疾患医療費助成」の対象になります。

1度:家事や仕事をだいたいこなすことができる。
2度:家事や仕事は難しいが、日常の身の回りのことはだいたいできる。
3度:食事、排泄、移動のいずれか一つが自力でできず、介助を必要とする。
4度:呼吸や痰の吐き出しが自分でできない。食べ物の飲み込みに支障がある。
5度:気管を切開している。人工呼吸器を使用している。経管栄養をしている。

また、「高額療養費の還付制度」や「障害者医療費助成制度」も適用できるので、自治体の福祉窓口に問い合わせをしてみましょう。
介護保険サービスを利用できるのは65歳以上で要介護・要支援認定を受けた方ですが、16の特定疾病が原因で要介護状態になった場合は、40歳以上でも介護サービスを受けられます。
ALSはその16の特定疾病に含まれているので、40歳以上64歳未満の方も介護サービスの利用が可能となります。

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